No.33の記事

財布の真実

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 我母恵美さんはいつもこう言っていた。「家計簿はいくらつけても収入が増えるわけじゃない」だから我が家は全部どんぶり勘定である。何かを目的にお金も貯めない。あれば使い、無ければじっと我慢の子である。借金もしない。いつもニコニコ現金決済。「出ていくものは出ていくのよ」と言う恵美さんのいい加減さは3人の娘にしっかり遺伝し、我が娘に至っては目先のお金の出入りしか理解できていない。計画というものが欠落してるわけである。

 家はそれでいいとしても事務所となるとそうも行かない。前の事務所ではこの私が財政担当。良くやれたものである。法律事務所の経営などというものは所詮どんぶりってことである。独立してますますどんぶり勘定癖が高じて会計ソフトの名前も覚えられない。税理士の奥津先生に「ちゃんとわからないとだめです」と叱られていいるのである。事務所の節子さんは「お金の達人」でお金の動きを見ていると面白いんだって。幼稚園から高校まで一緒だったけどどこで違ったのか。家庭教育かな。

10月26日、国の財布の話しなどわかる訳がない。と暗い気持ちで日民協税金シンポジゥムに参加した。司会はあの奥津先生である。「平和の危機と大増税」の話しである。まずは税理士関本秀治先生のお話。日本の財政がどんなことになっちゃっているのか大枠はわかりました。
 
 まずはものすごい借金漬け。個人だったら即破産手続きですね。年収をはるかに超える借金らしい。2005年度末でGDP比率173.5%。国だって住宅ローンのようなものもあるのでしょうから借金の額だけで破綻とは言えないだろうが、予算規模82兆で国債依存度41%、借金887兆8,450億円。単位が大きくて実感無いが、どんぶり勘定の家計に置き換えれば自転車操業だってことはあきらか。どうも借金は踏み倒す気らしい。ふと「恵美さんは国債をもっているわけない」と安心した。一瞬自分だけ助かろうというバカ国民になった。

 挙げ句の果てに貧乏人からもっと税金を吸い上げようとしている。消費税は15%なんてこと言っている。集めたお金は庶民には還元されないらしい。軍事費にどんどんと使われる。年収300万円の生活なんてことも出来なくなる勢いである。森永さんなんとかしてください。

 北野先生も吠えました。「平和と福祉」国家理念はぼろぼろになる。税財政制度は国の鏡なんです。

 財布の真実は持ち主の真実である。困った困ったと思いながら事務所に戻ってひどくお腹が空いたことに気づいた。ますます腹が立って「食えるときに食おう」と思ったのでした。いつかは姥捨ての私たちなんだから。