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日民協第49回定時総会決議

 1960年、日米安保条約改定阻止の国民運動は空前の昂揚を見せ、「安保反対」のシュプレヒコールが日本の津々浦々にこだました。
 敗戦から15年、もはや戦後ではないと言われたその時代にも戦争の傷跡は生々しく人々の身近にあった。ようやく手にした平和を再び日米軍事同盟で踏みにじらせてはならない。無数の思いと声と行動とが歴史的的な安保闘争となった。
 戦争の惨禍を高価な代償として国民は日本国憲法を手にした。平和と人権と民主主義こそが憲法が保障するはずのもの、しかし、憲法と対峙するものとして日米安保条約が国民の前に立ちはだかった。多くの人々がそのようにとらえた。
 1960年6月、安保闘争はかたちの上では敗北した。しかし、国民は自らの力量を自覚し、安保闘争は諸分野での民主主義運動の源流となった。
 幅広い多くの法律家も安保反対の国民運動に参加した。その法律家の集団が、「安保条約改定阻止法律家会議」を経て、日本民主法律家協会の設立に至った。当協会は、安保闘争の申し子である。
 あれから50年が経過した。歴史の紆余曲折を経て今日がある。安保条約は廃棄されずにいまだに存続している。国内に米軍基地が居座り、とりわけ沖縄の基地被害は深刻である。日本の主権回復は未だに十分ではない。
 しかし、安保と対峙する日本国憲法もまた健在である。この半世紀間、国民は成文憲法を守り抜いただけではなく、憲法の理念を自らの血肉としてきた。
 憲法体制と安保体制、せめぎ合うその相克の中に現在の日本がある。憲法を擁護し、憲法理念を顕現することが当協会の使命である。安保闘争50周年を迎える今、あらためて初心を思い起こし、平和を願う国民とともにその一翼を担って、憲法を輝かせ軍事同盟のない平和な日本を作るために邁進することを宣言する。
2010年7月10日
日本民主法律家協会第49回定時総会参加者一同



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