日民協事務局通信KAZE 2002年7月

 悪夢か吉夢か「夢」の実現へ

(事務局長 澤藤統一郎)

▼近年六月になると決まって見る夢がある。日民協総会紛糾の場面だ。旧執行部派が、理事長・事務局長留任の人事案を提案する。これに反発するグループが、再選禁止の規約改正を動議として提出する。怒号と拍手と喚叫の中で、両派の応酬が繰り広げられる。議論は、再選禁止か、三選禁止かに集約される。
 財政潤沢になり、理事長・事務局長職が有給となり、さらに報酬・活動費の額が政府機関に準ずることとなって以来、そのポストをめぐって激しい選挙戦が繰り返されているのだ。憲法運動のあり方、司法改革の評価についての意見の相違も厳しさを増している。

▼悪夢なのか、吉夢なのか。よく分からぬままに覚醒し、現実に引き戻される。本年六月二九日、第四一回の総会で、北野理事長・澤藤事務局長はともに留任となった。対抗馬はなく、「夢」は夢のままに終わった。
今後の一年、憲法問題も司法改革も、いよいよ切所にさしかかる。新執行部は協会の今後を見据えつつ、任務を果たす意気込みなので、ご協力をお願いしたい。
 ところで、「夢」は別の形で進行している。「法と民主主義」の編集長は、これまで事務局長が兼任していたが、この度独立することとなった。来号からは、佐藤むつみ編集長以下、事務局長を外した気鋭の若手グループで編集委員会が構成される。人事が変わることによる誌面の刷新と清新な企画に期待していただきたい。

▼「『法民』は協会の機関誌であるばかりでなく、憲法と司法を中心とする法律家運動全体の理論誌であり実践的な運動誌として貴重な財産である。また、その役割を果たすべく大きく期待されている」「会員と読者の参加を得て、企画・取材・編集・販売・読者獲得の全ての面において、雑誌作りがそれ自体民主運動であるような、『法民』に育てて行かなくてはならない。読者参加誌としての性格を前面に押し出して行くべきである」
 「『法民』の充実は協会活動の要である。『法民』は、協会の性格から、法律家運動の共通の機関誌でもある。多くの運動の成果や悩みがここに反映され、情報と意見と理論を交換し紹介して、運動に寄与するものとしたい。そのためにも、多くの読者を得る必要がある」「会員・読者のニーズを反映しなければならず、読み手が参加する誌面作りを心がける必要がある。多くの運動体や弁護団などに呼びかけたい」「読み応えのあるもの、実務に裨益するもの、読んで楽しい記事、そして読み手自身が書き手となる『法民』として、発行部数を伸ばしたい」
 以上は、本年の総会議案書の抜粋である。

▼一般紙に広告が打たれ「法民」が店頭に並ぶ。各地で、「法民」の輪読会、読書会が行われる。部数が伸びて、ページ数は増え、価格が安くなる。「法民」特集企画が、国民世論を、国民運動を喚起する。もう一つの「夢」である。
 夢の実現のために、知恵とセンスと、多少の時間をお貸しいただきたい。
 あなたの投稿を下さい。あなたが関与している運動や弁護団の報告をお寄せ下さい。あなたの特集企画案を下さい。こんなページを作っては、と言う提言を下さい。定期読者の拡大にご協力下さい。会費・誌代の早期納入にご協力下さい。思いがけない弁護団収入があったとき、配分先として協会をお考え下さい。寄付の先としても、心に留めて下さい。 すべては、よりよき法と民主主義のために。


戻る

©日本民主法律家協会