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ひろば

第0014回 (2005/06/28)
公開座談会「アメリカを語る」のお知らせ

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◆◇◆イラクホープネットワーク・メンバーによる…
          公開座談会「アメリカを語る」のお知らせ◆◇◆

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今年5月、ニューヨークでNPT(核不拡散条約)再検討会議がありました。

2001年に9・11同時多発テロが起こり、「イラクが核兵器を持っていたら、
今度は核を使ったテロが起こる!」 という恐怖心から始まったイラク攻撃。
でも、隠されているといわれていた大量破壊兵器はなく、戦争が終わった
はずの今も多くの市民や子どもたちが殺され続けています…。

このNPT再検討会議開催中に、「イラクのこと、もう一度考えて!」 と、
イホネット・メンバーが渡米。アメリカで、イラクの写真展や劣化ウラン
弾に関するワークショップを開催したり、ピースラリー(平和行進)に
参加したり。また、NY市民や学生、戦争帰還兵、ジャーナリスト、平和
活動をされている方など様々な人達と対話してきました。

□語る人たち

高遠菜穂子(ボランティア) 
  ………ファルージャの支援やストリートチルドレンの支援を続ける
鎌仲ひとみ(映画監督) 
  …映画『ヒバクシャ』の監督、現在『六ヶ所村ラプソディ』を製作中
佐藤真紀(NGO日本国際ボランティアセンター職員)
  ………イラクの白血病の子どもたちの医療支援を行う
田部知江子(弁護士)
  ………原爆症認定訴訟にかかわる
大嶋愛(イラクホープネット ボランティア)
  ………最年少で今回のニューヨーク・ツアーに参加

□日時/6月26日(日) 18:00開場 18:30開演 21:00終了
□場所/文京区民センター 3階 大会議室
□参加費/500円

 『イラクホープネットワーク』とは、日本とイラクの人々が対話をし繋がり合い、政府に左右されない信頼関係を築いていくためのネットワークです。すでに様々な活動をしている人達や、少し興味はあるけれど何をしたらいいか分からない人達、それから様々な国の人達…皆を広くゆるやかに繋げていきます。ぜひ、ご参加ください。

共催団体:イラクホープネットワーク(http://www.iraq-hope.net/
 劣化ウラン廃絶キャンペーン(CADU-JP:http://www.cadu- jp.org/)
 日本国際ボランティアセンター(JVC:http://www.ngo- jvc.net/)

連絡先、日本国際ボランティアセンター
пF03−3834−2388(佐藤まで)
makisato@jca.apc.org

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【イホネットHP】 < http://www.iraq-hope.net/
【イホネットNEWS】 < http://ihonews.exblog.jp/

以下、高遠さんのアメリカレポートです。
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□□□本当の「敵」は私たちのすぐ傍にいる。(6/12高遠菜穂子)□□□

(前半略)………
アメリカに来て一番驚いたのが、「劣化ウラン弾」の知名度が驚異的に低いことだ。実は、このイラク戦争帰還兵の中にも深刻な影響が現れ始めている。たとえば、以前にもここ(ブログ)で書いたことがあるが、帰国して授かった赤ちゃんに指がなく、父親である元兵士の尿からは劣化ウランが検出されて話題となった。これに関してはこのたびのイラクホープネットワークNY企画の前半で、「劣化ウラン廃絶キャンペーン」のメンバーも兼ねる方々が、直接そういう問題を抱える帰還兵にインタビューをしている。(詳しくは6月26日の公開座談会
「アメリカを語る」で紹介される予定)

ニューヨーク市民はそれでも関心が高い方だと聞くのだが、どうもトンチンカンな反応が返ってきたりする。
「イランの核開発ってひどいわね」とか、
「米軍が劣化ウラン弾を使ってるですって!?そんなわけないわ。劣化ウラン弾は国際法で禁止されてるのよ。アメリカが法を破るはずないわ」とか、「イラクの武装勢力って、ひどい兵器を使うのね」とか、一瞬呆気にとられる発言が飛び出すのである。
「いえいえ、こんな高価な兵器、武装勢力は買えません(苦笑)」と答えるのだが、説明に苦慮しっぱなしであった。なんせ、名前が「劣化」なんてついているものだから、「無害」だと思われがちなのである。なんでこんなファジーな名前がついてんだ!?と頭の中で考えていたら、思わず「劣化ウラン弾は劣化していません!」と口走ってしまった。何が言いたかったかと言うと、劣化したウランを使っていても放射性物質であることに何ら変わりはないということなのだ。劣化ウランの被爆というのは、見えない上に無臭で、簡単に空気、食べ物から体内に入り、入ったら最後45億年は体内に留まり、放射能を出し続けるということだ。ほぼ永久に不滅。もし、ガンなどの病気が発症し、仮にそのガンを克服しても体内に放射性物質が蓄積しているから、また同じ病気を繰り返すというわけ。しかも、遺伝子を傷つけるらしく、通常のガンと違って、家族内で同じガンにかかる可能性がやたらと高いという大変迷惑な代物なのである。と、ここまでは素人の私が知っている基礎知識。(より詳しくは「劣化ウラン廃絶キャンペーン」
http://www.cadu-jp.org/contents.html

劣化ウラン廃絶キャンペーンのメンバーでもある伊藤女史もアメリカ市民にレクチャーを施す。劣化ウランが人体に及ぼす影響は、実際のところまだ因果関係を特定されていないのだが、奇形が激増しているのは事実。深刻な薬不足で命を落とす子どもの数が半端じゃないことも事実。湾岸戦争以降に激増していることも事実。湾岸戦争以降、米兵にも同じような症状が出ていることも事実。壮絶な奇形の子どもの写真の前に佇んだ湾岸戦争帰還兵は、
「僕の子どもは神のご加護で五体満足だった。戦争なんて絶対にしちゃいけないんだ。戦争に行ってみて、それだけははっきり言えるよ。伝えに来てくれてありがとう」と言って去っていった。

写真を見に来た人たちは、とりあえず「イラクの実情を何も知らなかった」ということだけは確実に知ることになったようだ。また、イラクには恐ろしいテロリストばかりが住んでいると本気で思っている人たちにとっては、子どもたちの笑顔は強烈な印象を与えたらしい。食い入るように写真を見つめている人が多かった。私たちはとにかく、その姿を見守り、そして「イラクからのメッセージを受け取ってください」とチラシを渡した。私は、自分で撮影したファルージャの子どもたちと米兵に撃たれた青年の写真の前で、「なぜイラクで抵抗が始まったか?」を一人一人に説明し続けた。敵は、アメリカ人でもイラク人でもない。本当の敵は私たちのすぐ傍にいる「無知」なのだ。


転載元:高遠菜穂子『イラク・ホープ・ダイアリー』
http://iraqhope.exblog.jp/

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