第45回衆議院議員選挙は、8月18日に公示、30日投票の予定で実施されます。
今回の総選挙は、政権交代への関心に特化しがちですが、私たちの生活に直結した、日本のあるべき進路を決める重要な選挙です。そして同時に行われる最高裁裁判官の国民審査も劣らず重要であると考えます。
●目次:
私達の憲法は、立法、行政、司法の三権分立を大原則とし、相互にチェックしながら平和・民主主義・基本的人権がきちんと守られるように組み立てられています。立法は国会(衆、参両院の議会)が、行政は内閣が、司法は裁判所がそれぞれ担い、特に、裁判所には、違憲立法審査権が認められ、「人権の砦」の役割が課されています。
裁判所の頂点に立つ最高裁判所の裁判官人事(定員15人)は、内閣が独占し(任命。長官だけは政府が指名して天皇が任命する)、この最高裁が全国の下級裁判所裁判官に対する人事権を握る仕組みになっています。
最高裁裁判官の人事が時の政府に独占されるのでは、政府や行政、政治に影響力を持つ政治勢力に事実上迎合し、あるいは、国民の常識から大きくかけ離れた判決を下すような最高裁にならざるを得ません。かつて、自民党内閣は、最高裁裁判官を恣意的に入れ替えて政府に有利な判例変更を図ったり、司法への介入を疑わせる行動を行なった例が少なくありません。これでは、最高裁は、「人権の砦」、「護憲の府」としての本来の役割を果たすことは期待できません。
そこで、事後的ですが、憲法第79条は、政府による最高裁の裁判官人事に問題がないか否かを審査し、不適格な裁判官を罷免(辞めさせる)する権利を主権者である国民に保障し、これを具体化するために国民審査制度が設けられたのです。
しかし、昭和27年2月、最高裁自身が、この国民審査は裁判官を辞めさせるか否かを決める制度であるから、「×」印をつけたい投票者だけを明らかにすれば足り、「何も書かない」票を全て信任扱いして良いとの判例を出し、国民審査制度を骨抜きにしてしまい、そのままこの判例にそくした制度運用が踏襲されてきました。現行憲法の下で、過去20回の国民審査が実施されましたが、審査対象の計148 名の裁判官で罷免になった者は一人もいません。制度自体が最高裁の判断で空洞化され、国民審査無用論まで公然と叫ばれている始末です。
そこで、私達は、1970年に入ってから現在まで、各界の皆さんとともに、国民審査をあるべき制度として活性化させるために、政府が選んだ最高裁裁判官に関する情報を国民に十分開示するとともに、投票したくない、または判断できない有権者には棄権の自由を保障すること、早急に国民投票法を改正して「○×」式投票にすること―などを求め、粘り強く運動をしてきました。
私達は、事前には国民的チェックのないまま秘密裏になされる最高裁裁判官人事を厳密に審査するだけでなく、最高裁の親与党的・反人権的体質や姿勢を裁くまたとない機会として重視し、主権者の意思を正しく反映した国民審査制度の実現を目指していきたいと考えています。
現行の国民審査は、くじ引き順に告示された対象裁判官名(多い時には10名にものぼることがある)を1枚の投票用紙に印刷し、個々の裁判官の氏名上欄ごとに、「×」をつけるか、何も書かない(無記載)かして投票箱に入れる仕組みです。
この制度の最大の問題点は、「×」記載か無記載かしか許されず、無記載票は「信任」票とみなすこと、言い換えれば、「何も書かない」投票を「信任」したものと擬制する仕組みです。棄権したい者や、対象裁判官のことをほとんど知らない者、信任に値するか否か判断できない者も、「何も書かないで投票」した場合には、全て信任したものとみなされるのです。
もちろん、最初から、投票用紙を受け取らないか、いったん受け取っても、投票したくない場合には、係員に返すことも認められています。
この書き方や対応を間違えて、用紙全体に×、○をつけたり、記入欄が正確であっても、「○」、「△」などを記載しますと、その投票全体が無効になされます。
これまでの審査結果では、対象裁判官の平均値の最高では、投票総数のうち×印票が12・95%(第9回)、無効票が9・86%(第8回)の記録が見られますが、私達は、国民審査をより意義あるものにするため、対象裁判官に関する様々な情報を可能な限り有権者に伝えることを前提に、最低でも、1000万台の×印票、そして、棄権の自由を徹底して2000万台の棄権票を目標に運動をしてきました。
司法の独立と民主主義を守る国民連絡会議は、連絡会に参加している諸団体の代表とともに、8月10日、中央選挙管理会にの後記の要望書を持参し、第21回最高裁裁判官国民審査に対し、下記の措置を確実に講じるよう、強く要望いたします。
また、各級選挙管理委員会への指導監督についても、中央選挙管理会がその職責をはたすよう、要望しております。
各地での創意と工夫ある活動に、下記要望書を参照していただければ幸いです。
また、その反応や、問題点、ご意見をお寄せいただけますよう、お待ちしております。
ダウンロード→
要望書(PDF:7.5KB)
回数 | 実施日 | 対象裁判官数 | 最高×点比 | 平均×点比 | 棄権率 (単位%、カッコ内人数) | 無効率 |
1 | 1949 | 14 | 5.55 | 4.40 | 0.05 | 2.7 |
| 1月23日 | | (168万) | | (1.7万) | (88.3万) |
2 | 1952 | 5 | 9.67 | 9.04 | 0.24 | 5.5 |
| 10月1日 | | (335万) | | (8.4万) | (196万) |
3 | 1955 | 1 | 12.49 | | 4.79 | 7.7 |
| 2月27日 | | (409万) | | (179万) | (274万) |
4 | 1958 | 5 | 10.09 | 9.33 | 0.47 | 8.5 |
| 5月22日 | | (367万) | | (18.8万) | (340万) |
5 | 1960 | 8 | 9.41 | 8.69 | 1.51 | 9.35 |
| 11月20日 | | (356万) | | (60万) | (368万) |
6 | 1963 | 9 | 8.24 | 7.5 | 1.29 | 8.07 |
| 11月21日 | | (310万) | | (54万) | (330万) |
7 | 1967 | 7 | 9.73 | 8.93 | 2.21 | 7.81 |
| 1月29日 | | (409万) | | (103万) | (356万) |
8 | 1969 | 4 | 10.32 | 9.81 | 3.07 | 9.86 |
| 12月27日 | | (423万) | | (145万) | (448万) |
9 | 1972 | 7 | 15.17 | 12.95 | 5.78 | 8.63 |
| 12月10日 | | (689万) | | (306万) | (429万) |
10 | 1976 | 10 | 11.69 | 10.89 | 4.49 | 7.69 |
| 12月5日 | | (588万) | | (257万) | (419万) |
11 | 1979 | 8 | 10.92 | 10.08 | 3.44 | 8.69 |
| 10月7日 | | (524万) | | (188万) | (457万) |
12 | 1980 | 4 | 14.84 | 14.37 | 2.83 | 7.72 |
| 6月22日 | | (803万) | | (167万) | (453万) |
13 | 1983 | 6 | 10.85 | 10.24 | 2.28 | 8.22 |
| 12月13日 | | (557万) | | (131万) | (460万) |
14 | 1986 | 10 | 11.04 | 10.38 | 1.53 | 5.99 |
| 7月6日 | | (630万) | | (94万) | (364万) |
15 | 1990 | 8 | 12.34 | 11.61 | 3.81 | 5.89 |
| 2月18日 | | (739万) | | (252万) | (375万) |
16 | 1993 | 9 | 8.60 | 8.27 | 3.45 | 6.17 |
| 7月18日 | | (489万) | | (217万) | |
17 | 1996 | 9 | 9.30 | 8.89 | 3.75 | 4.74 |
| 10月20日 | | (497万) | | (208万) | |
18 | 2000 | 9 | 10.28 | 9.39 | 3.21 | 4.87 |
| 6月25日 | | (593万) | | (201万) | |
19 | 2003 | 9 | 7.29 | 6.9 | 2.9 | 4.36 |
| 11月9日 | | (414万) | | (190万) | (259万) |
20 | 2005 | 6 | 8.02 | 7.82 | 4.83 | 4.24 |
|
9月11日 |
|
(517万) |
|
(328万) |
(285万) |
那須 弘平(なす こうへい)
67才 第3小法廷 弁護士出身 2006年5月25日任命 2012年2月10日定年
1964年 東京大学卒。69年弁護士登録(第二東京弁護士会)。
大法廷で、2004年7月の参院選における一票の格差(5.13倍)を合憲とする多数意見に賛成。2005年9月の衆議院総選挙の小選挙区の一票の格差(2.17倍)および、政党と無所属候補者の選挙運動の差異が問題とされた事件(註1)について、1票の格差も選挙運動の差もどちらも合憲とする多数意見に賛成。国籍法違憲事件(註2)につき、違憲とする多数意見に賛成。小法廷で、「君が代」伴奏強制事件(註3)につき、伴奏を命ずる職務命令とその違反を理由とする懲戒処分を合憲とする多数意見に賛成。広島市暴走族追放条例事件(註4)について合憲とする多数意見に賛成。満員電車内の痴漢事件(註6)について1・2審の有罪判決を破棄して無罪とする多数意見に賛成。等
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涌井 紀夫(わくい のりお)
67才 第1小法廷 裁判官出身 2006年10月16日任命 2012年2月10日定年
1964年 京都大学卒。66年判事補。
大法廷で、2005年9月の衆議院総選挙の小選挙区の一票の格差(2.17倍)および政党と無所属候補者の選挙運動の差異が問題とされた事件(註1)につき、1票の格差も選挙運動の差もどちらも合憲とする多数意見に賛成。国籍法違憲事件(註2)につき、違憲とする多数意見に賛成。小法廷で、日本軍による中国人連行・監禁・強姦致傷に対する戦後賠償請求事件につき、上告棄却(原告敗訴)。住基ネットを違憲と判断し住民票コードの削除を命じた大阪高裁判決を破棄して住民ら逆転敗訴判決。NHKの従軍慰安婦報道の改編に対する損害賠償請求事件につき、原審判決を破棄して原告ら逆転敗訴。中国残留婦人の国賠訴訟(註5)において上告棄却・上告不受理(原告の請求を棄却)の多数意見に賛成。警察官が自宅に持ち帰っていた取調の際のメモにつき、弁護人が証拠開示を求めた事件(註7)について、証拠開示命令を正当とする多数意見に賛成。警察庁が新潟県警本部長に送付した通達文書に記載された情報の一部について、その公開は犯罪の捜査等に支障を及ぼすおそれがあるとして、公開すべしとした原判決を破棄して不公開を認める(註8)。等
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田原 睦夫(たはら むつお)
66才 第3小法廷 弁護士出身 2006年11月1日任命 2013年4月22日定年
1967年 京都大学卒。69年弁護士登録(大阪弁護士会)。
大法廷で、2005年9月の衆議院総選挙の小選挙区の一票の格差(2.17倍)および政党と無所属候補者の選挙運動の差異が問題とされた事件(註1)につき、一票の格差については合憲とする多数意見に賛成、選挙運動の差異については違憲とする少数意見。国籍法違憲事件(註2)につき違憲とする多数意見に賛成。小法廷で、「君が代」伴奏強制事件(註3)につき、伴奏を命ずる職務命令とその違反を理由とする懲戒処分を合憲とする多数意見に賛成。広島市暴走族追放条例事件(註4)について、同条例は違憲とする少数意見。満員電車内の痴漢事件(註6)について1・2審の有罪判決を支持する少数意見に賛成。等
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近藤 崇晴(こんどう たかはる)
65才 第3小法廷 裁判官出身 2007年5月23日任命 2014年3月23日定年
1967年 東京大学卒。69年判事補。
下級審判事時代の主要判断としては、 交通事故で亡くなった11歳の少女の損害賠償事件において、逸失利益の算定方法について性別だけで将来の収入を予測するのは合理的な理由のない差別として、高校卒業か義務教育終了までは男女同一にすべきとの控訴審判決(東京高等裁判所)。等。
最高裁では、大法廷で、国籍法違憲事件(註1)につき国籍法は違憲とする多数意見に賛成。小法廷で、広島市暴走族追放条例事件(註4)について同条例を合憲とする多数意見に賛成。満員電車内の痴漢事件(註6)について1・2審の有罪判決を破棄して無罪とする多数意見に賛成。等
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宮川 光治(みやかわ こうじ)
67才 第1小法廷 弁護士出身 2008年9月3日任命 2012年2月27日定年
1966年 名古屋大学大学院修士課程修了。68年弁護士登録(東京弁護士会)。
司法改革において、弁護士会内で積極的役割を果たした。
最高裁では、小法廷で、中国残留婦人の国賠訴訟(註5)において、上告棄却(原告の請求を棄却)の多数意見に対し、「国賠法上の違法の有無につき議論の余地がある」と上告受理の少数意見。警察官が自宅に持ち帰っていた取調の際のメモにつき、弁護人が証拠開示を求めた事件(註7)について、証拠開示命令を正当とする多数意見に賛成。警察庁が新潟県警本部長に送付した通達文書に記載された情報の一部について、その公開は犯罪の捜査等に支障を及ぼすおそれがあるとして、公開すべしとした原判決を破棄(註8)。
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櫻井 龍子(さくらい りゅうこ)
1969年 九州大学卒。70年労働省入局。労働省労政局勤労者福祉部長、労働省女性局長等歴任。
最高裁では、小法廷で、中国残留婦人の国賠訴訟(註5)において上告棄却(原告の請求を棄却)する多数意見に賛成。警察庁が新潟県警本部長に送付した通達文書に記載された情報の一部について、その公開は犯罪の捜査等に支障を及ぼすおそれがあるとして、公開すべしとした原判決を破棄して不公開を認める(註8)。
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竹内 行夫(たけうち ゆきお)
1966年 京都大学卒。67年外務省入省。
90年代日米防衛協力ガイドライン見直し時に条約局長。インドネシア大使などを経て、02年から05年まで外務事務次官。事務次官在任中に小泉政権下でアメリカのイラク戦争を支持、03年に航空自衛隊、04年に陸上自衛隊のイラク派兵を進めた。
最高裁では、小法廷で、福島県青少年健全育成条例が、有害図書の「自動販売機」への収納を禁止し、その違反に対し刑罰を科することが憲法21条、22条1項、31条に違反するのではないかと争われた事件(註9)につき、合憲判決。
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竹崎 博允(たけさき ひろのぶ)
1967年 東京大学卒。69年判事補。東京高等裁判所事務局長、最高裁判所事務総長、名古屋高等裁判所長官、東京高等裁判所長官などを歴任。
09年5月に実施が予定されている裁判員制度の導入に向けて、積極的役割を果たしてきた。最高裁判所判事に任命されると同時に最高裁判所長官に異例の就任。
最高裁では、小法廷で、福島県青少年健全育成条例が、有害図書の「自動販売機」への収納を禁止し、その違反に対し刑罰を科することが憲法21条、22条1項、31条に違反するのではないかと争われた事件(註9)につき、合憲判決。
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金築 誠志(かねつき せいし)
1967年 東京大学卒。69年判事補。最高裁人事局長、東京地裁所長、司法研修所長、大阪高裁長官などを歴任。
最高裁では、小法廷で、警察庁が新潟県警本部長に送付した通達文書に記載された情報の一部について、その公開は犯罪の捜査等に支障を及ぼすおそれがあるとして、公開すべしとした原判決を破棄して不公開を認める(註8)。
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註1. 2005年9月11日衆議院総選挙の小選挙区の区割規定(最大格差2.17倍)および、同総選挙で、小選挙区選出議員選挙について、候補者届出政党にのみ政見放送その他の選挙運動を認め、無所属候補者にはこれらを認めない公職選挙法の規定が憲法14条1項(法の下の平等)等に反すると主張した事件。(07.6.13)
註2. 国籍法が、日本人と外国人との間に生まれた子が国籍を取得する為には父母の婚姻または認知により嫡出子たる身分を取得することを要するとして、婚外子の国籍取得を認めないのは、憲法14条1項に違反すると主張した事件。(08.6.4)
註3. 公立小学校の校長が音楽専科教諭に職務命令として入学式に「君が代」伴奏を命じ、これに従わなかったことを理由に東京都教育委員会が戒告処分を発令したことは憲法19条(思想・良心の自由)に反すると主張した事件。(07.2.27)
註4. 広島市の暴走族追放条例が、暴走族の定義が曖昧で、禁止行為の対象も広範囲かつ基準が抽象的に過ぎ、憲法21条、31条等に違反する違憲なものであると主張した事件。(07.9.18)
註5. 日本に永住帰国した中国残留婦人が、早期帰国の措置や帰国後の十分な自立支援を受けられなかったとして、国に損害賠償を求めた訴訟。中国残留孤児の男性が起こした同様の訴訟が、同じ日に第2小法廷で上告棄却(原告の請求棄却)判決。(09.2.12)
註6. 満員電車内の痴漢事件について、被害者の思いこみなどにより犯人とされた場合、被疑者が有効な防御を行うことが容易ではないことなどから、特に慎重な判断が求められるとして、1審判決、高裁判決を破棄して無罪判決。(09.4.14)
註7. 警察官が私費で購入した大学ノートに記載して自宅に持ち帰っていた、自分が関与した事件についての取調の際のメモについて、裁判所が検察官に対して行った証拠開示命令を正当と判断した決定。(08.9.30)
註8. 警察庁が新潟県警本部長に送付した凶悪重大犯罪等に係る出所情報の有効活用等を要請する通達文書に記載された情報のうち、提供する情報の対象者を限定する罪名、出所事由に係る情報、当該出所情報の活用方法に係る情報について、不公開とした県警本部長の処分に対し、被上告人がその取消しを求めた事件。(09.7.9)
註9. 客が18才未満であるかを判定するための監視センターに設置されたモニターによる監視機能を備えていたとしても、対面販売の実質を有しているということはできず、「自動販売機」に該当する。福島県青少年健全育成条例が、有害図書の「自動販売機」への収納を禁止し、その違反に対し刑罰を科することは青少年の健全な育成を阻害する有害な環境を浄化するために必要やむを得ないものであって、憲法21条、22条1項、31条に違反するものではないと判断した判決。(09.3.9)