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君が代解雇事件を訴える。

仕事初め。午前8時半から9時半過ぎまで、霞ヶ関の東京地裁門前での宣伝行動。「君が代解雇訴訟」の原告の呼びかけで、賑やかなビラ配りとなった。
私が数えた限りでの行動参加者は64名。これに、裏門側の担当者が数名。途中で帰られた方もあったろう。とにかく「大勢」だった。
私も、風邪引きの聞き苦しい声で何度かマイクを握る。
「たった一回。国歌斉唱時に静かに坐っていただけで解雇。こんなことが信じられますか。石原慎太郎知事その人でさえ、『たった一回でと言うことはないだろう。これまでにいろいろと問題を起こしていたんじゃないの?』と言っています。
しかし、本当に、たった一回の不起立でクビにされたのです。その10名が起こしているのが、『君が代・解雇訴訟』です。
東京都は、定年制を導入するに際して、年金受給年齢の65歳に達するまでは嘱託として再雇用する制度を設けました。60歳になった職員は、働く意思と能力ある限り無条件で嘱託として再雇用されたのです。
ところが「10・23通達」の翌年、9人の教職員が、たった1回の不起立で、既に決まっていた再雇用が取り消されました。翌年にも1名。今、10名の教職員がこの再雇用取消を違法として、地位確認を求める訴訟を提起しています。暮れの27日に結審して、今年の春には判決が言い渡されることでしょう。
そのほかにも、嘱託として再雇用を拒否された方15名が、東京都に対する損害賠償請求訴訟を提起しています。
石原教育行政の酷さ、無道、無茶苦茶がこれほどはっきりしている事件はありません。
憲法は、すべての国民に思想・良心の自由を保障しています。しかし、その自由を実現するのは裁判を通じてのこととなります。
人権の砦であるはずの裁判所は、今その存在意義を問われています。憲法の理念を実現する裁判所であるのか。行政の違憲違法な行為を厳しく断罪する裁判所であるのか。本当に、国民の立場において、役に立つ裁判所であるのか。
昨年9月21には、予防訴訟において東京都の教育行政を違憲違法とする立派な判決が出ました。今度の「君が代・解雇」事件は、「予防」ではなく、現実にクビを切られ、不本意に教壇を追われた10人の切実な思いを込めた訴訟です。
司法に携わる立場にある皆さん、司法に関心を寄せられる市民の皆さん。君が代解雇裁判にご注目ください。石原教育行政がどう裁かれるかだけでなく、司法がどう裁くかにもご注目ください」