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ご近所物語ー2ー田門浩弁護士と土橋さん

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田門浩弁護士は聴力障害を持っている。生まれつき耳が聞こえない。中途失聴ではない日本で初めての弁護士である。私の里、都民総合法律事務所で8年間一緒に仕事をしてきた。彼も私も弁護士になってすぐに都民総合に入ったので2人とも純粋培養である。

 いつも一緒の土橋さん。とびきり有能な手話通訳者である。田門さんの早口で専門用語が砕け散るような毎日の会話に、彼女は負けじ劣らず早口の手話で対抗する。証人尋問から打ち合わせ、事務所会議何でもござれである。

 田門さんが優秀なのはいうまでもない。アメリカの大学に留学して米語の手話もできちゃう。土橋さんは大学の法学部の通信教育を受け専門知識も学び、消費生活相談員やアドバィザーの資格まで取っている。ファイナンシャルプランナーの勉強もしている。簿記なんかもわかるらしい。

 私は法律問題でも何でもわからないことはいつもこの二人に聞いて仕事をしてきた。お助け知恵袋である。性格もすぐれているのでバカな私のお尋ね事に嫌な顔せずに付き合ってくれる。

 時々田門さんが耳が聞こえないことを忘れてしゃべりかけたりしてた。彼を見ていると聴力障害というのは人間のひとつの特徴のように思われてくる。人はいろいろ違いがあるってこと。何しろ聞こえないんだから「サラ金に怒鳴られ無くていいよね」

 もとが努力家勉強家の2人なのである。一緒の事件で帰りがけに地下鉄を待っているところでパチリ。3人でやった事件も多くいつも3人リュックをしょって裁判所をうろうろしています。

 田門さんのリュックは異様に重く、筋力増強のために負荷をかけているにちがいない。それを揶揄すると「うふふ」と笑う。

  青いカーネーションライ、ラックブルー、プリンセスブルー、ベルベットブルー。バイオで出来た幻想的な花である。作っているのはサントリー。商品名はムーンダストだって。