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連れ合いにもやさしく

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8月1日の執行部会議に久しぶりに上野登子先生が見えた。ここ5年、「要介護5の夫の自宅介護をしています。弁護士の仕事もほとんどしていません。これからは日民協にもできるだけ出てきたいと思っています」

 上野先生は優しくて強い人である。3人の娘さんを産み育て法律事務所を主宰し、日弁連や日民協の活動もこなしてきた。27年前、研修所にはいる前に先生の事務所を女性だけで訪ねたことがあった。荻窪の事務所の床は板張りでぎしぎし鳴っていた。子育てなんて遠い日だった私たちに「娘はボタン付けなんか私じゃなくて父親に頼むのよ」と言っていた。上野先生の連れ合いはモーレツに忙し銀行マンだった。「父と母は若いときからケンカをしながら暮らしてきました。父が具合が悪くなって母が面倒を看るようになって、初めて二人は夫婦になったんだと思います」三女の言。

「デブの介護は大変だって言ってたのに」家人になじられている私の姿が目に浮かんだ。