個別表示

「武富士の闇」訴訟・控訴審完勝  

「武富士の闇を暴く」事件弁護団を代表して、記者の皆様にご報告いたします。

本日午後1時10分、東京高裁民事22部は、「武富士の闇を暴く」訴訟の控訴審判決を言い渡しました。主文は控訴棄却。一審に引き続いて、われわれの全面勝訴です。

判決内容は、意外に木で鼻を括ったものではなく、控訴審裁判所(石川善則裁判長)の事実認定や法的評価が示された中身のある判断です。一審の「藤山判決」以上と評価できそうです。

武富士から、「闇を暴く」の執筆者らに対する損害賠償請求は、「記事のほとんどが真実」「それ以外もすべてが、真実と信じるについて相当性あり」として、名誉毀損も信用毀損も成立しないとして請求は認められない。この点原判決と変わりませんが、第三者請求の悪質性や厳しいノル
マ、社内での罵声怒声の酷さなどを詳細に認定しています。

本案の訴訟提起自体が不法行為を構成するとして反訴の請求を認容したことも原判決と変わりません。しかし、ここもかなり突っ込んで、批判の言論封じの提訴と推認せざるを得ないとしています。

武井保雄の個人責任は、原審では武井が尋問の呼出を受けながら正当な理由なく出廷を拒否したため、民事訴訟法208条を適用して、原告の主張を真実と認めるとしたものでした。今日の判決は、この点について詳細に刑事記録などを引用し、民訴208条の適用なくても責任を認めることができる、としています。

この事件は、ダーテイーな大企業が批判者の言論を封殺する目的でした、出版妨害であり、弁護士業務妨害の訴訟です。5500万円という高額請求で、出版社や消費者弁護士の萎縮効果を狙った訴訟提起なのです。だから、請求棄却で勝訴するだけでは足りない。反訴を提起して、かような提訴をすれば、痛い目に遭うという反撃が必要だったのです。

記事が真実か否かは、書かれた武富士が一番よく分かるだろう。それなのに、ろくな調査も検討もせずに、いいかげんな提訴をしたことについて、裁判所の苦々しさが伝わってくるような判決文です。また、名前を挙げて、代理人の責任にも言及しています。この弁護士は、ほかでも同じことをやっている常習者。この訴訟では、われわれの完勝と言ってよいのと思います。

社会的な強者は、金に飽かして批判を封じる力をもっている。知識や技術を高く売りつけようという連中がいるからだ。しかし、金では動かない人たちもいる。当事者席のアチラとコチラは、同じバッジを付けていても、人種が違う。金で動くか、心意気で動くか。心意気派がいつも勝つとは限らない。しかし、今日は、大いに胸を張ることができた記者会見だった。