個別表示

朝日は権力に屈するな 

本日、報道・表現の危機を考える弁護士の会(略称LLFP)の緊急会合。朝日の10月1日付「詰めの甘さ反省」記事に危機感を募らせてのこと。貴重な情報交換が行われ、様々な意見が出た。

共通の認識は、本来はNHKの権力迎合体質が問題だったはずが、朝日の取材問題にすり替えられて来ていること。わざとかうかつか、この動きに乗っている朝日自身の態度も批判に値する。同調する他のマスメディアにも警鐘を鳴らさねばならない。

朝日が委嘱した報道検証委員会の「見解」の内容と、朝日の対応には乖離がある。分けて考えねばならない。「見解」の結論は、1月12日の朝日の記事の評価に重点がある。記事の真実性は、細部にわたっての完璧を求められるものではない。それでは記事が書けなくなる。とりわけ、権力を批判する内容の記事は紙面から消えてしまう。重要な部分において、真実であればよい。その点、当該の朝日の記事に何の問題もない。

ジャーナリズムの第一義的任務は、権力に対する監視である。権力を持つ者に対して友好的な取材などできるはずもない。いかにして切り込み、いかにして尻尾をつかむか。ギリギリのきわどい努力の中から、貴重な事実が浮かび上がり、記事が生まれる。各紙の論調のように「十分な取材」を過度に要求することは、第一線に立つ記者を萎縮させることになる。権力を持つ者の思う壺ではないか。

「安倍・中川がNHKに事前の圧力をかけ、その結果番組が改変された」という朝日の本件報道の主たる事実の真実性に揺るぎはない。この報道の意義と、NHKの体質をこそ論ずべきが、いったいどうした。日本のジャーナリズム。

緊急に声明を出すこととなり骨格はできた。まず、朝日への批判を。そして、「詰めの甘さ反省」に同調する全マスコミにも批判をしようと言うことになっている。