伊吹文科相の政治資金収支報告問題が報じられたのは、今月11日。各紙とも、「賃料のかからない議員会館を所在地としながら多額の「事務所費」を支出したと政治資金収支報告書に記載し、一部を会合・飲食費や交通費に流用していることが10日、明らかになった」との記事だった。
同様のことは、中川昭一自民党政調会長、松岡利勝農相ら既に複数の政治家で発覚していたが、伊吹さんには、格別の倫理が求められる。なにしろ教育行政を所管する大臣だ。しかも、教育基本法以下の教育法体系の再編を唱導しているさなかなのだ。
この問題発覚が1か月前なら、12月15日参議院で成立した教育基本法改悪をストップさせることができたかも知れない。ウーム、なんとも残念。
でも、この問題、いったい誰が火を付けたのだろう。誰が報告書を丹念に見直したのだろう。その人には最高の敬意を表するけれども、もう1か月前にやってくれてれば、との憾みも残る。
政治資金規正法がザル法だとは誰もが知っているところ。総務省の見解では、「事務所費には領収書の添付不要なのだから問題はない」とのこと。しかし、適法違法の問題と、政治倫理の問題とは次元が異なる。
伊吹文科相に問われているのは教育を語る資格である。彼には、改悪教育基本法以下の諸法の改正を云々する資格はない。
この事件、教育法体系改悪阻止の運動に、大いに活用しようではないか。