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郵政で掠めとった議席で改憲発議をしてはならない

総選挙の開票この方、元気が出ない。しばらくは、日記を書く気にもなれなかった。

石原大勝・ブッシュ再選に続いて、またまた民主主義の陥穽が露わになった。口をつくのは愚痴ばかり。
日本の国民は、そんなに自分の首を絞めることがお好きなのか。レミング・シンドロームだ。なるほど、ファシズムは大衆が作り上げるもの。自民党への投票者は民主主義破壊の共犯者だ。

長期的には、自民党政権の終わりの始まりだとは思う。郵政民営化の手品のタネは早晩露見する。結局、増税・高負担しか道はない。しかも、自民党は、今回特定郵便局長会(「全特」・「大樹」)を切った。保守の支援組織である医師会、歯科医師会、看護師協会、不動産政治連盟、農協・漁協、商店会等々が、いずれ切られることになるだろう。

これまで、自民党(保守政治家)が代弁していた、地方・中小業者・農漁民の利益は切り捨てられる。残るのは、財界と大企業労働者のみ。いまは、デマゴギーで票をかすめ取っているが、路線を変更した自民党には明日はない。

さはさりながら、いや、だからこそ、この選挙結果は保守陣営に千載一遇のチャンスなのだ。もしかしたら、最後のチャンス。郵政民営化一本の訴えでかすめ取った議席で、メッキのはげないうちにやれるだけのことをやっておこう、いまのうちに改憲断行だ、となりかねない。先の先のことではなく、目先の4年間が恐ろしい。

既に、国民投票法案審議の場を、常任委員会とするか特別委員会とするかの議論が進行している。東京新聞の16日付朝刊では、自民党は「改憲草案の発表を前倒しして10月中に行う」と言っているそうだ。勢いづいていることが見て取れる。さらに、民主党が火に油を注いでいる。

昨日、民主党の新代表に選出された前原誠司は、その日の記者会見で、憲法改正への取り組みに触れて「9条2項は削除し自衛権を明記することだ。党調査会の論議をスピードアップさせたい」と明言している。今日のNHKのインタビューでは、「たとえば、サマワで自衛隊を守ってくれている他国の軍が攻撃を受けたとき、自衛隊が何も出来ないではおかしい」とまで言っている。自民党の集団的自衛権賛同論議とまったく同じ言い回し。

圧勝した与党だけでなく、野党第一党がこのていたらく。大変な事態ではないか。

とは言え、社・共両党の獲得票900万に依拠し、さらに平和を求め改憲に反対する世論に依拠するしかない。院外の運動を作り上げよう。

まずは、日本のあちこちで、「郵政民営化で掠めとった議席で、改憲発議をするな」と叫ぼう。