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日民協第45回定時総会 宣言  
2006年7月15日

 時代は重大な岐路にさしかかっている。
 世界では、唯一超大国が人類の叡智の積みかさねである国際法を蹂躙し、暴力の専横を恣にしている。この専横を許すのか、国境を越えた民衆の連帯によってこの専横に歯止めをかけることができるのか。
 国内では、その超大国と結んだ政権が、憲法「改正」を具体的な政治日程に乗せている。憲法「改正」を許してしまうのか、憲法「改正」を阻止することができるのか。
 憲法の危機は、憲法に掲げられた諸理念の危機、つまりは平和と民主主義と人権の危機である。
 第二次大戦におけるこのうえない惨禍の歴史的教訓から日本は再出発し、人類の普遍的理念を掲げて日本国憲法を確定した。その歴史の教訓と憲法とを放擲するのか、堅持するのか。
 既に、諸分野に改憲先取りの事態が顕著である。いたるところで憲法理念の侵蝕が進行し、平和や民主主義や人権が侵害されている。そして、憲法原則の砦となるべき司法はその本来の役割を果たし得ていない。
 憲法「改正」は、平和や民主主義・人権破壊の集大成であり、また新たな次元での諸理念侵蝕の出発点でもある。改憲策動の背景には、軍事大国化を中心とし、これと併せて新自由主義的経済改革路線があることは今や明らかになりつつある。
 私たちは、法律家集団として平和や民主主義や人権の侵害を座視しない。憲法理念実現の運動へ積極的に参加し、法律家としての役割を果たすべく努力を惜しまない。そして、私たちが固有の任務である司法の分野において、憲法が想定する司法の実現にとりわけの力を尽くす。このことこそが、憲法「改正」阻止に直接つながる大きな意味を持つものであるから。
 私たちは、それぞれの分野で法律家の立場において個別の運動に参加してこれを支えるとともに、諸分野の運動と連繋して憲法「改正」阻止につなげる壮大な国民運動を指向する。
 私たちは、深刻な時代の岐路にあって、日本の軍事大国化と資本の横暴に明確に対決し、時代の逆行を阻止するための国際運動、国民運動の一翼を担うことを宣言する。
日本民主法律家協会
理事長  鳥生忠祐



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