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日民協第50回定時総会決議

 人類の叡智の結実である日本国憲法を武器として、熱い理想と深い叡智とをもって権力の横暴や強者の不正に抵抗する人々に寄り添いたい。
 そのような思いを共有する人々が50年前に広く結集して連帯を確認した。その連帯に冠せられた名称が、日本民主法律家協会である。
 時あたかも歴史的な安保闘争直後のこと。このとき、日本国憲法は、紛れもなく日米安保体制という強固な現実を批判し、恒久平和と主権の確立、民主主義の理念をもって時代をリードする輝く理想であった。
 人類の叡智の到達点としての普遍性に支えられた日本国憲法が高く掲げた理念を抵抗の武器とし、これを活用して強固な現実を変革しようとする心意気、それこそが日本民主法律家協会発足の原点であり、協会に結集したそれぞれの法律家の決意でもあった。
 
 以来半世紀の一進一退を経て、理念と現実のせめぎ合いは、今なお継続している。
 いまだに日米安保体制の解消には至らず、憲法の諸理念の実現も達成されてはいない。しかし、その希望を示す民衆の闘いは止むことなく継続し、法律家も民衆を支えてともに闘い続けている。法律家の本分である権力の横暴や強者の不正に対する抵抗の心意気は、世代を超えて語り継がれ、行動をともにする中で継承されてきた。
 
 日本民主法律家協会は、創立半世紀を経て、いま、新たな半世紀に歩み出そうとしている。協会につどう私たち法律家は、新たな決意を持って、法の理念を堅持し、法の叡智に則って、権力の横暴や強者の不正に対する抵抗の新たな活動を始める。
 志をともにする法律家を幅広く糾合しとりわけ若い世代に結集をよびかけ、民衆の要求に応える法律家集団としての力量を蓄え、憲法の諸理念を実現する個別の課題において、また憲法理念の実現に忠実な司法の実現のために、さらなる努力を重ねなければならない。
 協会創立50周年のこの総会において、決意を新たに理想の実現のために全力を尽くすことを宣言する。

2011年7月9日
日本民主法律家協会第50回定時総会において



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