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日記再開

夏の終わりは、そこはかとなくもの哀しい。
夏の色は朱なのだそうだ。朱夏から白秋への移ろいなのだが、青春が過ぎゆくという感覚。もう青春は遠い日のこととなったが、8月の末に今年もまた馬齢を一つ重ねた。

7月16日に日民協の事務局長職を降り、「事務局長日記」を擱筆した。その後は、戦後60年の記念の夏であり、降って湧いたような総選挙の夏となった。日記に書き留めておくべきことも多々あった。が、日記を書かなくてもよいという解放感に浸り続けた。

世は騒然としているが、わが家の夏は穏やかだった。狭い庭にもプラムが実を付けた。木槿の花の下にはキジバトが巣をかけ、2羽の雛が巣立った。偶然、「チャングムの誓い」という韓国ドラマにはまり、BSの「寅さん」シリーズを観た。

その夏も終わった。そろそろ「日記」を再開しようと思うが、エネルギーを要することとて自信がない。改めて「事務局長日記」の過去ログを読むと、よくもまあこれだけ書き続けたものと呆れる思いがする。こんなことを繰り返すことは到底できそうもない。

そこで、無理をしないこととしたい。毎日は無理、長いものは無理。調べなければ書けないものは無理。無理のないところで、切れ切れにでも細く長く続けてみたい。

関心の赴くところ、なんでも書いてみたいが、何よりも憲法問題について書きつづりたい。先行き不透明な時代に自分がどう対峙したか、その証しを書き残したい。まだ、遺書を書く気分ではないが、人生には終わりがあることを実感するには十分な齢。この日記を書くことによって、真っ当に生きていることを確かめておきたい。

再開初日。これ以上は無理をすまい。この辺で筆を置くことにしよう。今日は憲法について触れなかったが、自分に恕すとしよう。明日からでよい。明後日からでもよい。