本日(6月1日)、東京地方裁判所で、昨年12月22日の原告本人尋問以来半年ぶりに口頭弁論期日が開かれ、弁論更新手続が行われました。
本来、東京訴訟は、3月23日に結審を迎える予定でしたが、裁判長を含む2名の裁判官が交代したため、本日の弁論更新手続となりました。
弁論更新手続を行うにあたり、原告2名及び代理人(弁護士)5名により、意見陳述が行われました。
まず、清水宏夫さん(写真)からは、原告団代表の立場から日本語による意見陳述が行われ、続いて、佐渡開拓団事件の数少ない「生き残り」である紅谷寅夫さんからは通訳を介して中国語で被害の実態等が述べられました。
清水宏夫さん意見陳述
http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/zan/upfile/39.htm
紅谷寅夫さん意見陳述
http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/zan/upfile/38.htm
その後、全国弁護団連絡会事務局長である清水洋弁護士は、全国で提起されている「孤児」訴訟の目的とその意味、その中で東京訴訟がもつ意義(「本件訴訟の全国化と東京訴訟の意義」)について、
井上聡弁護士は、「孤児」が生まれた原因や国の早期帰国義務違反、自立支援義務違反など本件訴訟に係る「事実論」について、
米倉洋子弁護士は、40名の原告について現在までの立証を踏まえた、「孤児」らがどのように人生を送り、国の行為によっていかなる被害を被ってきたか(「原告らの人生と被害」)について、
斉藤豊弁護士は、本件訴訟における国の「責任論」について、
それぞれ述べました。
更新弁論要旨
(本件訴訟の全国化と東京訴訟の意義)
http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/zan/upfile/40.htm
(事実論について)
http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/zan/upfile/41.htm
(原告らの人生と被害について)
http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/zan/upfile/42.htm
そして、最後に安原幸彦弁護士は、「今後の進行について」述べ、迅速な審理を求めつつ、裁判所がさらに理解を深めるために証人3名(菅原幸助証人の再尋問、坂本龍彦証人、岡部牧夫証人)の尋問とさらなる原告本人尋問を行うよう求めました。
また、日本語が十分に理解できない原告らの裁判を受ける権利を実質化するために法廷での「同時通訳」を実施するよう求めました。
次回期日は、8月30日(火)午前10時です。
7月6日には全国に先駆けて大阪地裁で判決が言い渡されます。この大阪判決の重要性についてはいうまでもありませんが、全国の原告の半数以上である1000名を超える「孤児」が原告となっている東京訴訟の帰趨は、国の政策転換の実現に重大な影響を及ぼすと考えられます。
引き続き、東京訴訟へのご支援をお願い致します。