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あっちゃんの事務局だより

第0101回 (2004/12/24)
104歳と92歳

新藤監督と かねてから懸案の新藤兼人監督のインタビューが実現した。92歳。年明け早々の「最後の遺言状」の舞台の準備のためホテルに籠もっての日々とおっしゃる。新橋のホテルに心躍らせながら向かっていた地下鉄の私の右隣にちょこんとすわっているおばあさんがいた。左側の若い男性に「三越は何番の出口ですか」とたずねている。男性は、こまったような顔をして、「ボク、銀座には縁がなくて・・・」。銀座で乗り換える私が案内することになった。ちいさな暖かい手で握り締めてくる。エスカレーターに乗ると「私、104歳なんですよ」「時々テレビにもでます」というではないか!。92歳の現役監督で、もうすでに舞い上がっていたのに、なんと、104歳。何か、良いことがありそう!。それも、とてもきれいというよりなかなか粋なおばあさん。「長生きの秘訣は、こうして、銀座でお買い物することよ」とおっしゃる。いやはや脱帽。
 ところで、新藤監督とのインタビュー。開口一番、「映画づくりは、団結です。バラバラのものが一つにまとまっていく、こに喜びがあるのです」とおっしゃる。「よりよい仕事。よりおいしいまんじゅうを造ろう、うまいラーメンを食べさせよう・・」ここに労働の喜びがある。人間としての成長がある。いまでも音羽さんと共に生きている。音羽さんの姿・形はないけれど、思い出と話すともできる。すこしもさびしくない。と淡々とおっしゃる。そして、どうしてもとりたい2本の映画への構想を情熱的に語る。その2本とは、岩波から出版されている「愛妻記」と、原爆投下直後をリアルに描きたいとのこと。阿鼻叫喚の人々と喝采を叫んでいたであろう原爆投下者、60年経ても癒えないその威力を描くには、20億円が必要。どうしても、創っていただかなくてはならないテーマ。お金がほしーい。

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