No.4の記事

今も眠る、棄てられた毒ガス Q&A

Q&A:

Q: 731部隊とは?
A: 黒龍江省で、生きた中国人で人体実験を行っていた。化学兵器/細菌兵器を使用したりして、その影響を調査していた軍部。当時から国際法上違反であったのに、戦後の東京裁判でも裁かれていないのは、その調査結果が連合軍にとって有効なものであったため、アメリカがその調査結果を持っていった。それと引き換えに裁かないことを約束した。

Q: 日本人の被害者にはどのような補償をしているのか?
A: ほとんど何の補償もしていない。日本国内の遺棄状況の調査も今までに2回だけ。

Q: 化学兵器/細菌兵器は実際に戦争で使われたのか?
A: お金をかけて調査・開発したので、大量に使用していた。ペスト菌なども開発していた。広島や小倉で開発されていた。だから原爆投下のターゲットとされたのではないか、と言われている。

Q: 広島で開発されたのに、なぜ日本中に散らばっているの?
A: 終戦直前、沖縄戦で敗北していた日本軍は、次は本土で陸上戦になるだろうと予想し、日本各地に毒ガスを配備した。しかし、本土での陸上戦にはならなかったため、結果的に未使用となった。それを戦後、証拠隠滅のために海洋投棄や遺棄をした。

Q: 化学兵器の処理は?
A: 処理方法は確立している。1997年化学兵器禁止条約締結(化学兵器を全部処理することを約束)に基づき、処理をし始めているが、すべて処理するにはまだまだ時間がかかる。
一方で、被害の治療方法は確立していない。しかし、日本政府が本気で取り組めば不可能ではないはず。

Q:  「にがい涙の大地から」の取材をするにあたって、何か障害はあった?
A: 特にない。責任は当時の軍部の指令層にあったと現地の人も思っている。だから、日本の市民が真実を知りたい!という気持ちで行けば素直に受け入れてくれる、と感じた。

Q: この問題に、どのように協力できるの?
A: 小さなことを少しでも実行してみよう。
@お金に余裕があるなら、支援金を振り込もう!
 郵便振替口座 00110-6-760615 チチハル被害者人道支援基金
A裁判を見に行く。
「認めているのに何もしていない」日本政府の罪を糾弾しよう!
と き:9月14日(水)午後1時30分より3時まで
ところ:東京高等裁判所 1階 第101号大法廷

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!?裁判のホント・ウソ?!豆知識
世論、特に若い人が関心を持って見守っている、という姿勢を見せて裁判官にプレッシャーを与えられる!
世論が味方についていれば、裁判官も勇気をもった決断が出来る!
弁護士も、「絶対に意味がある!」とお墨付き。
「サイバン」と聞くと難しそうだけど、結局関わっているのは人間!
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B時間もお金もないけれど、裁判官に手紙を書く。(50円、10分で出来る。)
C旧「満州」にいた親戚や知人がいる場合は情報を提供してもらう。
特に現地の中国の人はこの情報を必要としている。旧日本軍が調査もしていない、ということもあり生き残った日本軍の証言がたより。

Q: どんな風に東アジアの人と付き合っていく?
A: まずは友達を作る。そしてまずは東アジアの国々を知る。それから、過去の事実として過去を知り、それを語っていく。そうすることで東アジアの未来に貢献できるはず。
China-Japan Networkでもスタディーツアーもやっているので、是非参加して!

参考図書:
「悪夢の遺産」学陽書房 尾崎祈美子(TVディレクター)著