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清水雅彦の映画評

第0033回 (2006/01/22)
『頭文字(イニシャル)D』〜こだわりがあるのっていい!

父のハチロク(AE86)を使って迅速・正確な豆腐の配達をしているうちに、峠道を完璧なドリフトで走り抜ける技術を身につけた高校生と、彼にバトルを挑む走り屋たちの話。ハチロクに挑むのは、パワーでは圧倒的なRX-7、GT-R、ランエボ。バトルの間の淡い恋や、普段はだらしないオヤジと口だけの友だちとのやりとりも見せます。

原作はしげの秀一のコミック。監督は『インファナル・アフェア』のアンドリュー・ラウとアラン・マック。そして、出演はヒロイン役の鈴木杏を除いて香港・台湾の人気若手俳優たち。原作にあわせて設定も撮影も日本国内ですが、香港映画のため劇場公開版は日本語吹き替え。これらが映画に不思議な雰囲気を漂わせ、逆によかったと思います。日本人の知っている俳優が演じていると、見ながら「おまえはこんな運転できないだろう」と考えてしまいますもん。また、こういう映画は警察が嫌がりそうでいいなあ。

それにしても、映画から考えるのは、日本のメーカーのこだわりのなさ。社が違うのに似たような車がいかに多いか。トヨタのレビン・トレノは4代目のAE86が最後のFR。5代目からFFに変わり、洗練されたデザインで5代目は売れましたが、6代目・7代目は売れず、2000年には生産中止。5代目も今やすっかり見ないのに、いまだにAE86は見かけます。FRにこだわればよかったのに。そういう意味で、富士重がトヨタの傘下に入って、水平対向エンジンがどうなるのか気になるところ。

一方で、欧米の車はデザインを見ればどこのメーカーかすぐわかるこだわりがありますよね。バイクだとエンジンにこだわります。ハーレーのV型エンジン、BMWのボクサーエンジン、ドゥカッティのL型エンジン……。ちなみに私のバイクは、縦置き直列4気筒1000ccエンジン・シャフト駆動・ABS装備が特徴の1988年製。これでメーカーと車種がわかればあなたはかなりのバイク通! 趣味にしろ日常生活にしろ、人それぞれもこだわりがなくっちゃ(ちょっと今回は脇道にそれすぎました)。



2005年香港映画
上映時間:1時間49分
http://avex.jp/initial-d/index.html

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