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日記

大阪裁判を傍聴して

本日(3月25日)、大阪の裁判を傍聴しました。
大変心を打つ原告および弁護士の方々の意見陳述がなされました。あっという間の2時間でした。
はじめに西岡弁護士が具体的な聴き取り経験を紹介しつつ「想像力を働かせて考えてほしい」と裁判所に訴え、「裁判長とほぼ同年齢でゼロからのスタート、キャリアが通用しないことを想像してほしい」と訴えました。
原告のTさんは自分が帰国意思なしと勝手にされていたことの憤りを述べられました。
最終準備書面の概略説明は、その膨大な内容をパワーポイントを使って整理され、3人の弁護士が分りやすい説明をされました。究明カード分析が見事だと思いました。
小野寺先生が全国を代表して、全面解決を図るにふさわしい正義の判決をもとめました。
最後に原告団長が原告を代表して人間らしく生きたい、すでに11人の原告が亡くなった、これ以上待てない、もう見捨てないでほしいと訴えられました。
各意見陳述の後に傍聴席にむけて簡単な中国語の翻訳がありました。原告の皆さんにとって、とても貴重だったと思います。
(2005年3月25日 東京訴訟弁護団・弁護士 宮腰直子)

残留孤児の連れ子退去処分「不当」 原告が逆転勝訴

「残留孤児」の連れ子訴訟(血縁がないのに実子と偽って入国したなどとして在留特別許可が認められず、国から強制退去処分にされたのは不当だとして、処分の取り消しを求めた行政訴訟)で、3月7日、福岡高裁は、原告の請求を棄却した原判決(福岡地裁)を覆し、退去強制処分の取消しました。

同判決は、その理由の中で、中国残留日本人孤児の歴史的問題に触れ、「国策で満州国に入植し、戦後の引き揚げ施策や94年の中国残留邦人帰国促進・自立支援法などが遅きに失した」「過去の国の施策が遠因となり、被害回復措置が遅れたため在留資格を取得できなくなった原告の立場は、在留特別許可の判断にあたって十分に考慮されなければならない」とし、国の「残留孤児」問題に対する施策について批判的に言及しています。

『ああわが祖国よ』

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八朔社より、『ああわが祖国よ−国を訴えた中国残留日本人孤児たち』(大久保真紀・著)発売


大久保真紀[オオクボマキ]
1963年福岡県生まれ。1987年朝日新聞社入社、盛岡、静岡支局、社会部などを経て2002年4月から編集委員