11月8日、東京地裁で、原告3名の本人尋問が行われました。
最初に供述を行った菅原延吉さん(写真)は、1945年、ソ連参戦による逃避行の中で母や姉と別れ、中国人の養父母に育てられることとなりましたが、その後養母は養父と離婚して家を出、12歳の時には養父も亡くしました。菅原さんは12歳にして中国の地で再び孤児となってしまった寂しさ、悲しさについて語りました。
また、菅原さんは、文化大革命時代には、「日本帝国主義孝子賢孫」と批判され、日本政府の身代わりとしてその侵略戦争の罪責を負わされ、迫害を受けたことの理不尽、不合理について語り、「60年前に戦争は終わったとされるが、私たち残留孤児の問題が解決しない限りこの戦争は終わらない」と述べました。
2番目に供述を行ったY.Rさん(女性)は日本語で証言を行いました。Y.Rさんは、日本帰国後、生活保護費の中から学費を捻出して日本語学校に通い必死に日本語を身につける努力をしました。それでも日本語能力が不十分なため、Y.Rさんは職場では「外人」と言われ、差別を受けました。Y.Rさんは、「もう少し国が早く帰国させるための措置をとってくれれば、このような思いをせずにすんだのに」とその悔しさを語りました。
最後に供述を行ったY.Tさん(男性)の尋問では、Y.Tさんの母に対して、県の職員が、「帳面がうるさい」(資料の整理がつかない)などと言って「戦時死亡宣告」に同意するようしきりに説得活動を行ったこと、Y.Tさんの母はY.Tさんの生存を信じて最後までそれを拒んだことを、7月20日に放映されたNHK「クローズアップ現代」(http://www.nhk.or.jp/gendai/)の映像を交えながら、明らかにし、Y.Rさんはこのような非情な行為に対する怒りと悲しみについて語りました。
詳しいレポートはこちら
http://spaces.msn.com/members/8888jcbridge/PersonalSpace.aspx?_c=
(中国帰国者二世・三世の会【日中之橋】)
関東訴訟も残すところ3期日となりました。今後の期日は、以下のとおりです。
○2005年12月22日(木)午前10時〜午後5時 原告本人尋問(3名)
※場所:東京地方裁判所103号法廷
※傍聴するには傍聴券が必要です。
傍聴券の抽選は午前9時30分です。
○ 2006年 2月21日(火)午前10時〜午後5時 証人尋問
5月24日(水)午後1時〜 結審
裁判勝利のため引き続きご支援お願い致します。
草思社より、『誰にも言えない中国残留孤児の心のうち』(埜口阿文・著)が発売されました。
http://www.soshisha.com/book_search/detail/1_4794214367.html
中国残留日本人孤児たちは、波瀾の戦後をどのように生きたのか。
そして日本に定住したいま、何を思うのか。
敗戦の日を満州で迎え、中共八路軍の政府機関に採用され、以来三十五年間を大陸で過ごした著者が、三人の帰国・定住者にその半生と心境を聞く。
残留体験者でなければ描けなかった孤児たちの真実の物語。
プロローグ 遠い記憶のなかの吉林の姉弟(「通化事件」の犠牲となった父と母;唯一の証は羽二重のベビー服 ほか)
第1章 義父母(長春の重点大学に入った賢い子;出稼ぎたちの景気のいい話 ほか)
第2章 牧童(梅河口;一時帰国 ほか)
第3章 下放青年(長春;誤算 ほか)
埜口阿文(のぐち・おふみ)氏
1926年佐賀県生まれ。44年、満州電気化学にタイピストとして就職するために渡満。45年5月に家族が佐賀村開拓団に入植。敗戦後、一家で朝陽鎮の日本人難民収容所に送られる。同年11月、中共八路軍の輝南県衛戍司令部に採用。中国にとどまり、国共内戦中は中共の省機関と行をともにする。49年、東北人民政府民政部に配属。52年から3年間、東北人民大学(現吉林大学)付属工農中学で学ぶ。55年、工農中学の同級生と結婚。64年、新設された大連日本語学校(現大連日本語学院)の講師となる。文革中の68年、日本人であることから家宅捜索を受ける。69年から4年間にわたり、明陽人民公社で下放。日中国交成立後、73年に一時帰国。80年、夫と2人の子供とともに日本へ引揚げる。93年〜94年、長春大学外国語学院で日本語を教える。著書に、このときの1年間の日記をまとめた『長春大学教師日記』(小社刊)がある。
10月18日、東京地裁で進行協議手続が行われ、下記のとおり今後の裁判期日が指定されました。
2005年12月22日(水)午前10時〜午後5時 原告本人尋問
2006年 2月21日(火)午前10時〜午後5時 証人尋問
5月24日(水)午後1時〜 結審
いよいよ結審の日が決まりました。残すところ7か月です。
裁判勝利のため引き続きご支援お願い致します。
※次回の期日は、以下のとおりです。
日時:11月8日(火)午前10時〜午後5時
場所:東京地方裁判所103号法廷
※原告本人尋問(3名)を行います。
※傍聴するには傍聴券が必要です。傍聴券の抽選は午前9時30分です。
原告の安達大成さんも参加したピースボート50回クルーズを特集した「法と民主主義」10月号が発行されました。http://www.jdla.jp/houmin/index.html
是非お買い求め下さい。
注文はこちら。
http://www.jdla.jp/kankou/itiran.html
過去の戦争をみつめ、未来の平和をつくろう
─ピースボート50回クルーズ・船上企画から
◆特集にあたって……田部知江子
◆戦後60年企画 「戦争被害・戦後補償を考える3事件グループ」 on ピース・ボートがうまれるまで……田部知江子
◆「残留孤児」、平和之船に乗る……渕上 隆
■ピースボートに乗船して……安達大成
■安達さんの話を聞いて……新井葉月
◆被爆者の証言……大森克剛
■大森克剛さんとの船内企画報告……竹峰誠一郎
◆チチハル遺棄毒ガス被害者と戦後補償裁判……馬奈木厳太郎
■丁樹文さんと出会って……渡辺里香
◆「靖国訴訟」ってなに?『靖国』について語ろう!……大山勇一
■「痛み」を「誉れ」に変えてはならない……滝沢智子
◆ピースボート、恨の島 韓国小鹿島訪問……田部知江子
■ソロクト訪問にて……深川理彩
■行列のできる法律相談所……浅井美絵
■三事件弁護団と出会って……水野浩子
■改憲の動きが加速する今、必要なこと……吉田タカコ
※「残留孤児」原告、平和之船に乗る
その1-1 http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/zan/diary.cgi?no=84
その1-2 http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/zan/diary.cgi?no=86
その2-1 http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/zan/diary.cgi?no=85
その2-2 http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/zan/diary.cgi?no=87
その3-1 http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/zan/diary.cgi?no=88
その3-2 http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/zan/diary.cgi?no=89
その4-1 http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/zan/diary.cgi?no=93
その4-2 http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/zan/diary.cgi?no=92
その5-1 http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/zan/diary.cgi?no=96
その5-2 http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/zan/diary.cgi?no=97
その6 http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/zan/diary.cgi?no=98
その7-1 http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/zan/diary.cgi?no=99
その7-2 http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/zan/diary.cgi?no=100
その7-3 http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/zan/diary.cgi?no=101
その8-1 http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/zan/diary.cgi?no=102
その8-2 http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/zan/diary.cgi?no=103
その9 http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/zan/diary.cgi?no=104
11月19日(土)
ジャン・ユンカーマン監督×吉永春子監督トークショー行います。
11月20日(日)
井筒監督×海南監督×キム・テイル監督トークショー行います。
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【連絡先】実行委員会事務局
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