日本民主法律家協会

2022・2・3「9条改憲の流れを絶て!」
自民党改憲を許さないキックオフ集会アピール

1 はじめに

 戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会と改憲問題対策法律家6団体連絡会は、これまで、憲法9条改憲などの自民党改憲4項目案に強く反対し、立憲主義・平和主義に反する「安保法制」などの法律の廃止を求めてきました。
 通常国会が開かれている今、市民が望まない無用な改憲への流れを絶ち、市民の命と暮らし、平和と自由を守る政治を実現する運動をあらためてスタートすべく、本日、この集会を開催しました。

 

2 今取り組むべきは改憲ではない

 岸田総理は、所信表明演説で「いわゆる敵基地攻撃能力も含めて、防衛力を抜本的に強化していく」と語り、自民党の憲法改正実現本部においても、「(憲法9条改憲などの自民党改憲4項目は)きわめて現代的な課題であり、国民にとって早急に実現しなければならない」「自民党の総力を結集して憲法改正を実現する」と強い意欲を示しました。
 しかし、新型コロナウィルス感染拡大をはじめとした、日本が抱える多くの課題の解決に改憲は全く必要ないばかりか、市民が現在、改憲を求めている状況にもありません。
 自民党改憲4項目案などの改憲勢力が示している改憲案は、法律で対応可能なために憲法を改正する必要がないもの(教育無償化、参議院合区解消など)や、戦争や市民の弾圧につながる危険なもの(自衛隊明記、緊急事態条項など)ばかりです。
 また、改正改憲手続法(国民投票法)には投票環境や広告規制など国民投票の公平・公正を欠く多くの欠陥があり、現行法のままでの改憲発議は、国民主権の原理に照らし憲法上許されません。

 

3 いまこそ憲法を活かす政治を

 オミクロン株による感染が急拡大する現在、政治に求められているのは、医療体制の拡充や生活困窮者への支援です。すなわち、生存権(憲法25条)や個人の尊重(憲法13条)といった、憲法に立脚する政治こそが最優先で行われる必要があります。
 また、米中の緊張関係が高まる中で日本がすべきことは、敵基地攻撃能力の保有などによって徒に対立を深めることではなく、憲法の平和主義に基づいてあらゆる外交的努力を行って戦争を回避することです。
 今の日本に必要なのは、憲法改正ではなく、立憲主義・平和主義に基づく憲法が活かされた政治の実践です。

 

4 まとめ

 現在、私たちは憲法と平和の危機に直面しています。しかし、2020年には検察庁法改正案を、2021年には入管法改正案を、市民が作り出した広範な世論の力で廃案に追い込んだように、私たち市民には政治を変える力があります。
 私たちは本集会を皮切りに、「戦争する国」につながる9条改憲を始めとする不要な改憲論にあらためて強く反対し、署名など世論喚起に取り組むととともに、今年の参議院選挙で改憲勢力の議席数が3分の2を大幅に下回るようにすべく、市民と野党の共闘を一層拡大し強化するため奮闘することを宣言し、本集会のアピールとします。

 

集会参加者一同