日本民主法律家協会

ハマスによるイスラエル攻撃及びイスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区でのジェノサイドに抗議し、パレスチナ及びイスラエルにおけるすべての戦闘行為の即時停止と人道的援助を求める緊急声明

2023年11月7日

日本民主法律家協会
理事長 新倉  修
事務局長 大山 勇一

 

 日本民主法律家協会は、憲法と国際人権法を含む基本的人権の保障を求める法律家及び市民の団体である。私たちは、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するハマスが10月7日にイスラエルに対してロケット攻撃を行い、民間人を拉致したことは国際刑事裁判所規程(ローマ規程)にいう人道に対する犯罪に当たること、また他方、イスラエル政府がパレスチナ自治区ガザ地区その他、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区に対してミサイル攻撃や爆撃を含む戦闘行為を行ったことが同じく人道に対する犯罪に当たり、国際人道法にも違反することを確認する。その後も、病院に対する攻撃を含めて、事態はますます悪化しており、イスラエル政府は、ガザ地区に対する地上侵攻を開始した。このような行動は、国際法上認められている自衛権の行使をはるかに超えるものであって、明らかに必要性・相当性を大きく逸脱しており、とうてい正当化できるものではない。さらにパレスチナ自治区ガザ地区への侵攻は、子どもを含む非戦闘員を無差別に死傷させるものであって、国際刑事裁判所の管轄するジェノサイド犯罪にあたり、直ちに停止することが国際法上求められている。
 私たちは、国際連合第10回緊急総会が10月26日に決議「民間人の保護及び法的かつ人道的義務」 を採択したことを歓迎し、そこで提案された14項目がいずれも戦闘行為の即時停止と十分かつ緊急に必要な人道的援助の実施を求めていることを真摯に受け止め、関係する当事者すべてがこれを遵守することを強く求める。私たちは、日本国憲法前文が「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生きる権利を有することを確認する」と述べたように、いかなる武力の行使も武力による威嚇も平和をつくり出さないことを改めて強調する。前記国連総会決議が求めているように、即時、持続的かつ継続される人道的停戦を行い、イスラエル・パレスチナ間の紛争に対する公正で持続的な解決は平和的な手段を通じてのみ達成可能であることを銘記しなければならない。