2026年2月17日
改憲問題対策法律家6団体連絡会
社会文化法律センター 共同代表理事 海渡 雄一
自由法曹団 団長 黒岩 哲彦
青年法律家協会弁護士学者合同部会 議長 田村 優介
日本国際法律家協会 会長 田中 俊
日本反核法律家協会 会長 大久保賢一
日本民主法律家協会 理事長 稲 正樹
2月8日に投開票された第51回の衆議院議員選挙において、自民党は公示前の198議席から118議席増の316議席となり、参議院で法案が否決されても再議決できる3分の2を超える議席を獲得した。自民党が単独で3分の2を超える議席を獲得したのは同党結党以来初である。連立を組む日本維新の会は36議席を獲得し、衆議院の与党の議席は352議席、全体の75%超となった。
高市首相は、1月19日の記者会見で解散を表明した際、「国論を二分する政策に挑戦する」「高市早苗が内閣総理大臣でよいのか国民の皆様に決めていただく」と発言しており、今後、国民の信を得たとして、様々な政策を推進していくことが考えられる。
しかし、高市政権の本質は、「力による世界秩序」をかかげるアメリカに追従し、大軍拡に邁進し、国家情報局や「スパイ防止法」の創設、「防衛装備移転3原則」の5類型の撤廃、そして自民党が党是とする憲法「改正」を実現し、文字通り日本を「戦争する国」にする極めて危険なものである。こうした高市政権の危険性は、就任早々「台湾有事」が存立危機事態になりうると発言し、東アジアにおける軍事的緊張をこれまでになく高めたり、官邸の幹部が「日本は核兵器を保有すべきだ」という考えを示したと報道されていることを見ればいっそう明らかである。
私たち法律家は、平和憲法を破壊し日本を戦争に導く高市政権の動きに断固として反対する。
今、日本では上がらない実質賃金、止らない物価高、社会保障の貧困といった社会状況に対する不満と不安が蔓延している。総選挙において自民党に勝利をもたらした一因である高市政権に対する高い支持率は、閉塞感を抱いている国民が、そうした現状を変えてくれると期待したことの表れにほかならない。
しかし、新自由主義的な政策の推進によって国民生活を破壊し、「失われた30年」をもたらしたのは連綿と続く自民党政治にほかならない。これを受け継ぐ高市政権では、国民の期待に答えることはけっしてできない。憲法の理念に基づく政治が実現してこそ、国民が真に求める社会、社会保障が充実し、国民が安心して暮らせる社会、大企業より国民生活が優先される社会となる。
選挙結果を受け、改憲に向けた動きが加速するかもしれない。しかし、安倍政権の下で、改憲勢力が衆参両院で3分の2以上を占めた時も、憲法改正の発議はできなかった。国民投票で勝てるという自信がなかったからである。これは、憲法改悪を許さないという全国各地での市民と労働組合と立憲野党による地道な活動によって世論形成をした成果でもある。私たちはこれまでの取組に自信を持ち、あらためて国会内外での改憲阻止・憲法理念の実現を目指す運動を力強く進めていこう。
私たち改憲問題対策法律家6団体連絡会は改憲をゆるさない市民と労組と政党の改めての結集のために今後も全力を尽くす所存である。
以上