中国「残留孤児」国家賠償訴訟勝利
署名推進ニュース(関東版)
NO・10 2006年6月
東京地裁(第1次) 訴訟結審、“07年1月30日に判決!
裁判官宛「公正判決求める」署名に全力!
5月24日、中国残留「孤児」訴訟で注目されていた「東京地裁」第1次訴訟(原告40人・原告総数1092人)が結審を迎え、来年1月30日同地裁103号室で判決が言い渡されることになりました。
◇被告(国側)の主張を詳細に反論!
最終弁論は、第1章「はじめに」、第2章「本件請求を基礎付ける事実」、第3章「早期帰国実現義務違反」、第4章「自立支援義務違反」、第5章「被害の本質と原告らの損害」、第6章「「国の抗弁に対する反論」、第7章「終わりに」の7章にわたって、10人の弁護士が、その要旨について意見陳述を行ったほか、原告40人全員について紹介し(うち35人が出廷)、9人の原告が意見陳述を行いました。とくに原告が、次々と中国での棄民生活の厳しさと悲惨さ、日本人と解ったときの驚愕と望郷の想い、戦時死亡宣告を受けたときの怒りと悲しみ、帰国後の日本の政府の冷たい仕打ちを涙ながらに述べると会場からはすすり泣きも聞こえ、裁判官も真剣に耳を傾けていました。
◇弁護団長・原告代表が「正義・公正な判決を」要請!
弁論の最後に、鈴木経夫弁護団長が「この裁判は、どの角度から見ても日本政府の責任において解決すべきもの」と述べ、池田澄江原告団代表が「裁判官の良識を信じます。孤児たちに光を」と締めくくりました。
◇勝利めざし、運動の継続を!
支援組織の「中国残留孤児の人間回復を求める市民連絡会」佃俊彦事務局長(弁護士)は「原告・弁護団・支援者は、やるべきことは全てやってきた。必ず勝利すると確信している。来年1月の判決に向けさらに活動を強化したい」と語り、引き続く支援強化を呼びかけています。日中友好協会・日中友好雄鷹会・国民学校1年生の会・孤児全協・虹の会などの支援組織はこれに応え取り組みを強化、東京・神奈川・埼玉・千葉などの原告団は毎週の街頭署名をさらに強めています。
東京地裁裁判官宛に30万を超す「要請署名」を!
裁判終了後、東京地裁裁判官宛の「公正な判決を要請する署名」8万筆が裁判所の書記官経由で裁判官に提出されました。前号(NO9)で報じたように、原告の約半数の原告団が参加する「東京地裁で勝利するかどうか」が全国の 裁判勝利の帰趨を握っており、当面「東京地裁裁判官宛要請署名」を最重点に運動を展開します。目標は30万筆以上、時期も9月末を区切りにしています。全国各地から多くの署名を結集しましょう。 結審後も各地から署名が次々と寄せられています。
☆神戸・京都も結審間近、「裁判官宛要請署名」を展開!
東京に続いて、神戸地裁は 7月14日、京都地裁は 8月12日に結審を迎えます。東京地裁要請署名とあわせて、「神戸・京都地裁裁判官宛要請署名」にも取り組みましょう。
東京での「全国統一行動」に1000名以上が参加!
結審の前後の5月23日から5月25日に掛け、全国各地の原告団・弁護団・支援組織から1000人が参加し、デモ・座り込み・国会要請を展開しました。5月23日は東京都港区芝公園から厚生労働省までデモ行進「国は・残留孤児に謝罪せよ」「老後を保障する年金制度を作れ」と都民に呼びかけました。午後3時から5時まで厚生労働省前で、座り込み要請行動に取り組み、集会では次々と勝利への激励と決意が述べられました。
5月23日夜には、日比谷公会堂で「決起集会」を開催。全国の原告・弁護団が報告と決意を表明。政党から激励と連帯の挨拶(日本共産党・社会民主党が参加・民主党からはメッセージ)が、述べられました。
5月25日は、原告団と弁護団を中心に衆参両院議員への要請行動を展開、「院内集会」が開かれ議員関係者 約50人が参加し、熱心な討論を行いました。
小泉首相あて103万余の「請願署名」を提出!
5月23日午前、小泉首相あてに取り組んできた「請願署名」21万筆が提出されました。これには内閣府山田哲範総務課調査役が立会い「早速総理宛届けます」と応対しました。これで3次にわたって提出された「請願署名」は、103万8848筆に達しました。「100万署名」は国会での孤児問題立法化に大きな意味を持っており、引き続き取り組みが続けられています。
★ お願い★
@同封の「東京地裁要請署名」を増刷し署名を集めてください。
また署名簿が必要なら市民連絡会にご連絡ください。集った署名は、早めにお送りください。
A「神戸・京都地裁宛署名簿」はご注文あればお送りします。
B「要請署名」でも団体訪問を行っています。その節はよろしくお願いします。
C募金のご協力に感謝いたします。さらにご協力をお願いいたします。
Dさまざまな情報の提供をお待ちしています。(事務局)
中国「残留孤児」の人間回復を求める市民連絡会
事務局
〒141-0022東京都品川区東五反田1-13-12五反田富士ビル5F
五反田法律事務所内
пEFAX 03-3447-1620
口座名 中国残留孤児人間回復運動支援資金
郵便振替口座 00130-0-581422
銀行口座 東京三菱銀行五反田支店 普通預金口座 20676999
http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/zan/diary.cgi
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※以下より署名用紙をダウンロードすることができます。プリントアウトしてご使用下さい。
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※バックナンバーはこちら
NO.9 http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/zan/diary.cgi?no=147
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NO.7 http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/zan/diary.cgi?no=64
NO.6 http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/zan/diary.cgi?no=4
NO.5 http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/zan/diary.cgi?no=34
NO.4 http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/zan/diary.cgi?no=21
NO.3 http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/zan/diary.cgi?no=33
NO.2 http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/zan/diary.cgi?no=20
NO.1 http://www.jdla.jp/cgi-bin04/column/zan/diary.cgi?no=19
これまで、中国残留日本人孤児等の取材を続けてこられた朝日新聞記者大久保真紀さんによる『中国残留日本人─「棄民」の経過と、帰国後の苦難』(高文研)が発売されました。
日本の敗戦により、「満州」に置き去りにされ、生きるために中国に残らざるを得なかった残留婦人・孤児たち。やっとの思いで祖国・日本に帰りついたが、そこに待っていたのは……。
新聞記者として20年にわたり、「国家」に翻弄される人びとに寄り添い、苦難の人生を見つめ続けたヒューマンドキュメント!
●目次
はじめに
T「原告番号1番」池田澄江さんのたどった60年
「日本政府は本当に冷たい」
世界一尊敬している養母のこと
養父母に預けられた経緯
貧乏のどん底へ
つのる祖国への想い
恐怖の文革時代
肉親の情報を求めて
「私の心は日本に届く」
祖国の土を踏む
まぶたの父は、父ではなかった
強制送還の恐怖
日本人なのに、日本国籍を取得できない?
正真正銘の日本人に
日本語の壁
弁護士事務所の事務員に
中国人の夫が日本社会になじむまで
子どもたちが猛烈ないじめに
娘が見つけた居場所
中国に残した養父母
奇跡の再会
「一歳」の誕生パーティー
「残留孤児」の生存権をかけて
原告団の代表として
U「強行帰国」で国を動かした12人の残留婦人
「祖国で死なせて」
「強行帰国」のリーダー
国友忠さんとの出会い
シベリアに抑留された夫は再婚していた
養家は布団もない極貧農家
「強行帰国」への準備
中国帰国孤児定着促進センターへ
記者会見で語った一二人の思い
「中国残留邦人等帰国促進・自立支援法」の成立
帰国後の暮らし
特別身元引受人との葛藤
精神的な上下関係
「国からお金をもらって、毎日遊び歩いている」
子どものためだけに生きてきた
「日本人の女の配給だ」
文革の嵐を生き抜いて
一回でいいから、中国に残した子どもに会いたい
たまたま死ねなかっただけ
五〇〇キロのコーリャンと交換で嫁に
中国から呼び寄せた家族が直面した「壁」
娘の「おしっこ!」がわからない
孫娘が弁論大会に出場
V 政府の強制退去命令とたたかった 井上さん家族の「きずな」
第二の家族離散
強制収容
二度目の強制収容
仮放免という身分
忘れられないキュウリの味
土地改革で生活が一変
帰国できなかった理由
下放された農村での生活
帰国までの長い道のり
一万円の生活保護の制約
中国に残した長女と次女を呼び寄せる
新たなたたかい──強制退去命令の取り消しを求めて
強制収容で一変した生活
敗訴──福岡地裁三〇一号法廷「棄却する」
控訴審開始
拘留一年一〇カ月後の仮放免
勝訴──福岡高裁五〇一号法廷「原判決を取り消す」
希望の歌「離れたくない」
「残留日本人」を生み出した歴史と残された課題
http://www.koubunken.co.jp/0375/0365.html
(高文研HP)