No.20の記事

NHK番組改変問題でさらに本質究明を 

NHKの番組改変問題報道での、朝日の「見解」発表に驚いた。

政治家の圧力によるNHK番組改変が問題なのだ。安倍晋三ら政治家の圧力の有無が検証の対象であり、日本のメディアの健全性や、NHKという巨大メディアの仕組みこそが糺すべき問題の本質であった。

それが、いつの間にか、朝日の取材姿勢問題にすり替えられてしまっている。4人の委員会の見解を承けても、朝日にはもっと別の選択肢があったはずと思う。朝日腰砕けの感を否めない。危機感を覚える。

朝日の報道は真っ当な問題提起をした。朝日がこれで幕引きとしても、問題提起を受けて報道の自由を求める声を上げた市民が、その声を納めることはあり得ない。むしろ、朝日を乗り越えて、問題の本質を訴える声を上げなくてはならない。

歯がゆいのは、朝日が取材テープの公開をしないこと。テープの社外流出で、不必要に卑屈になっていること。実務法律家の感覚では、開き直って全部テープを公開すればよい。私たちの関心は、安倍や中川の生の声から、どこまでの圧力の存在を推認することができるかだ。今さら、テープは出せないとする理由が理解できない。記事の当不当もテープを聴いた読者の判断に任せればよいではないか。

私は、他人に視聴料の不払いを勧めたことはない。NHK内部で誠実に番組作りをしている職員の存在を評価しているから。しかし、NHKトップは反省が足りないと思う。それでいて、不払いに法的措置とは本末転倒。法的措置には、対抗措置を考えなければならない。

「朝日問題」でない。飽くまで、「NHK問題」なのだ。