No.39の記事

本日の集会を多数派形成の第一歩に 

本日は、「自民党の新憲法草案を考える弁護士の集い」に多数ご参加いただき、まことにありがとうございました。呼びかけ人16名を代表して、御礼を申し上げるとともに、今後のご協力をお願いいたします。

個人的な思いを申し上げれば、私の身体の成分は、タンパク質と炭水化物と、そして日本国憲法だと考えています。その憲法をないがしろにし、あまつさえ変えてしまおうなどとはとんでもないこと。到底許せません。憲法が大切だと思うのは、実はその理念としての人権や平和・民主主義を大切と思っているわけで、この思いは弁護士を志した人には、共通の思いではないでしょうか。多くの弁護士が、改憲には反対と考えているに違いありません。

改憲を阻止する力は国民世論にあります。国民の過半数を改憲反対の側に獲得する運動を成功させなければなりません。そのような運動において、弁護士は大きな力になりうると思います。法律専門家集団として、また多くの国民に直接触れあう宣伝力をもった集団として、その動向は国民運動の重要な部分を担わねばならないと思います。

弁護士が改憲阻止運動に力を発揮するのは、依頼者層に、市民運動に、弁護士個人として関わる場面もありますが、弁護士会内の世論形成によって弁護士会の組織的運動を通じて世論にアピールする手段の追求も重要です。

私たちは、まず弁護士会内の過半数をもって改憲反対の意思表示ができるような運動を目ざそうと思います。そこから、弁護士会をより明確な改憲反対の意思表示ができるようにしたい、より深く市民に改憲反対を訴える運動のできる会としたい。また、弁護士の過半数を結集することによって、改憲阻止こそが法律に携わる者の常識であることを国民世論に示したい、と思います。

そのためには、憲法解釈の違いを乗り越えて、改憲阻止の一点で結集することが必要です。本日の、山内敏弘先生の講演で明確にされたとおり、改憲の目的は、自衛隊の存在を認知させるためのものではない。そんなことなら、現状で十分。改憲の必要はない。集団的自衛権の行使ができるように、制約なく海外での軍事行動を可能とするための改憲なのですから、当然に専守防衛論者も連帯して行動ができることになります。

今日のディスカッションでは、いろんな意見が出されました。多くの弁護士が、弁護士会活動で、法律家任意団体で、市民団体で活躍しておられることに意を強くしました。各地の改憲阻止運動にも、積極的に関わっておられる。そして、その運動の中から、示唆に富む提言をいただきました。もっと魅力ある運動を工夫せよ、市民の目線で行動せよ、改憲反対を唱えるだけでなく憲法を市民の暮らしに血肉化する運動を、多くの弁護士が呼びかけの対象とされず運動参加のきっかけないまま埋もれている‥、等々。

これらのご意見を集約して、これから会内の運動をみんなで作っていこうと考えています。まだ、どのような運動を作るか、グランドデザインはありません。本日も、決議もアピールも用意していません。行動のための意見の集約はまだ先のこと。本日の学習集会が、憲法擁護について弁護士の大同団結を目ざす、大きく力強い運動の第一歩となるように、ご協力をお願いいたします。

まずは、12月6日12時〜14時 二弁1002号にお集まりください。運動をどう組むか、ご相談いたしましょう。

最後に、基調講演をいただいた山内敏弘先生に御礼を申し上げて本日の集会を閉会いたします。