今年は日本国憲法が還暦を迎える。2007年5月3日が憲法施行60周年に当たる。
日本国憲法は、1946年の明治節(11月3日)を選んで公布され、憲法100条によって、その6か月後に施行された。以来60年の年月を経たことになる。
憲法の基本的な役割は、主権者たる国民の立場において、国家権力の行使に厳格なタガをはめるもの。出来のよい憲法ほど、為政者に疎まれる運命にある。
それにしても、日本国憲法ほど、国民に愛され為政者に冷淡に扱われた憲法はないのではないか。
為政者と財界とアメリカとが、大声で日本国憲法に非を鳴らしているのは、それが彼らに不都合だから。国民がこれを守り抜こうとしているのは、それが国民の利益に具体的に役立つものだから。
しょせん憲法も道具である。その評価は、役に立つかどうかにかかっている。国民の利益に役立ち、為政者には目の上のコブでなくてはならない。
為政者が歓迎する憲法では、民衆には役に立たないのだ。為政者がその存在に痛痒を感じないのでは、憲法を生かしてはいないことになる。
もっともっと憲法を使いこなそう。憲法の理念を実現する司法が必要だ。憲法の理念を実現することに執念を持つ法律家の育成も重要だ。そして何よりも、職場で、学校で、社会で、議会で、為政者の横暴に抵抗する運動がなくてはならない。
日本国憲法施行から60年。この憲法を守り抜いた国民の力量に乾杯。
そして、これを使いこなす国民の力量はこれからの課題。