2006年9月

 昨年より2人体制になった本部事務局から、事務局だよりをお送りすることにいたします。従来の「あっちゃんの事務局通信」を改め「敦子とかおりの事務局だより」としました。「あっちゃん・・・」の時代は、一人孤塁を守る林敦子のぼやきが主体でしたが、これからの「・・事務局だより」は、協会本部の業務報告とともに、交互に感想やら問題点を記して行きたいと思っています。時々は、絵日記ならぬPhoto日記として、写真も添付するつもりです。ご期待下さい。

窮状を救うのは、9条です。

今日は、待ちに待った、「9条がんばれ! 弁護士と市民がつどう「第9」コンサート」の日。あいにくの冷たい雨・・・。ぎりぎりの時間に会場に駆けつけると、もう、たくさんのひと・人でうまっている。切符を切っているのは渕上弁護士、プログラム配布は下林弁護士。様々な集いの受付をこなすことになれている私。少しとまどいながら、「今日はお客様でーす」と、いくぶん背中を反らせて、入場。ご夫妻で合唱に加わる予定の佐藤弁護士は、まだ平服のまま入場者に笑顔で応対。「衣装に着替えなくていいの?」と私。蝶ネクタイの斉藤先生をひやかそうと思っていたのに、余裕たっぷりの態度。コーラスのできあがり、期待していいのですね。
 平和の誓いへのファンファーレで幕開け。実行委員長のご挨拶に続き、モルダウ・鳥の歌、愛のあいさつ・・。心の底に響き渡るチェロの音色に酔いしれる。第2部は、「第九合唱」。緊張した面持ちで舞台に登場する合唱団員の中に、「知った顔」を探し当てて、にんまりしながら、外山雄三さんの指揮棒がふれるのをじっと待っていると、武者震いがとまらなくなる。
 そもそも、このコンサートの企画が報告された時、「へエー、実現できるの?」と正直思っていた。「実現させたい!」そういう気持ちになってきたのは、随分と企画が具体化してきた頃。そして、本番を迎えた。大成功!!。ここを出発点に、憲法9条の大切さをひとりでも多くの人と語りあって行こう。そんな決意を心に刻みつけることができた、つどいだった。会場の出口には、シルクハットを逆さまに、募金を募る内田先生の姿。財布を広げた私に、「帰りの電車賃大丈夫?」。財布の薄さを心配してくれたのかしら?

遅れた夏休み 思わぬ休日出勤

 靖国参拝を強行した小泉首相のおかげで、8月の夏休みを2日も返上させられた相棒の織田さん。航空券も少し安く購入できる9月に入って鹿児島に帰郷中。
 「法民・合併号」の作業日程が狂い、16日から18日の三連休は、ゲラ刷りの素読みと、未到着原稿の督促で、私の休日は、大幅な予定変更となってしまった。休日の都心に自家用車で乗り込んで、「シーン」としている事務所で仕事をしている。とても集中できて、はかどることこのうえなし。電話は鳴らないし、バックミュージックを少し大きめにかけて、難解なゲラを読んでいる。 少しくたびれた頭を冷やしに、新宿御苑の前をぶらぶら歩いて、事務所に戻ると、「堀尾です。校正、遅れます。これから講演にでかけます。明日でもまにあうよね。9.26のコンサートの練習もあるんだよ。では、また連絡入れまーす」。とても若々しい声の堀尾先生の留守番電話。そうだ、もう、今日は、これで止めよう。3連休最後の日、車も混むかもしれない。堀尾先生の「明日でも間に合うよね?」その声をお聞きしたら、なにか、少し気が楽になり、まだ、日の高いうちに、愛車を蹴って、自宅へ戻ることに。ケセラセラ、なるようになるわ・・・。明日は地獄かも・・。

少々もめた編集委員会

 ちょっと意味深なタイトルですが、毎月開催される「法と民主主義」編集委員会。定刻主義のS先生、遅刻常習者のZ先生。電話応対のため、なかなか配置につかない私・・・。言い訳けは無用です。遠方より、時間を守り、交通費も自己負担。少しでも良い「法民」を作りたい一心で集まってくださる編集委員。毎号、時宜にあった特集企画を中心に、テーマを決め、執筆者を選び、依頼し、原稿を集め、入稿・校正と、実務を積み重ねて、一冊の「法民」が完成する。読者への発送、購読料の集金・・・・。諸々の仕事を編集委員と専従事務局でこなしている。責任の分担が提案されても、超多忙な人々の集まり。諸手をあげてなかなか引き受けがたい・・・。「共謀罪」の小特集の担当者が決まらない。時間は刻々と過ぎていく。小特集の骨格は、関東学院大学の宮本先生が作成して下さっている。結局、依頼書の起案と執筆の承諾をとる仕事は本部事務局が担当することになる。仕事が増えることを不満としてるのではない。実務をこなすのは、それが仕事ゆえ、それほど負担と感じていない。しかし、「みんなで作る」!そのことを大切にすることと、先に進めないもどかしさが、いつもつきまとう。重苦しい感じで、大幅に予定時間を過ぎて終了した委員会。どうぞ、「みんなで作る・法民」の実現のために、力と知恵を貸してくださいませんか!

さようなら! 佐伯先生、吉川先生

刑法学会の重鎮の相次ぐ訃報が、合宿で留守にしていた事務局に伝えられていた。
 亡き風早八十二先生とともに、東京刑事法研究会を起こし、若手の刑法学者を育てていた吉川経夫先生。そして、京都において刑法読書会を創設した佐伯千仞先生。奇しくも、8月31日に吉川先生が、9月1日に佐伯先生が、相次いで彼岸に旅立たれた。若手のホープ、神戸学院大学の佐々木光明教授は、お二人の逝去に、「刑事法の歴史の節目を感じます」とメールに記している。心からご冥福をお祈りするとともに、改憲への策動に心痛められていたお二人の先生のご遺志を、残された私たちがきちんと引き継ぎ、改憲を止める闘いを進めることを心からお誓い申しあげます。
 日の丸を配した祝日をマジックペンで塗りつぶした吉川先生の手帳には、もう、協会の会議の予定を記すこともないのですね。10月号の「法と民主主義」の特集「天皇制の今」への原稿依頼も、未完のままになりました・・・・・。
 さようなら、佐伯先生、吉川先生・・・・・。 

学びに学んだ夏季合宿!

水戸の大洗海岸での夏季合宿。午後1時30分から5時30分まで、東京新聞の半田滋記者の「米軍再編が呼び込む憲法9条改悪」と題する講演を軸に、ばっちりと学習。差し入れされた日本酒、地酒3本を前に、夕食から深夜の懇親会と続行する討論。2日目は、朝9時に全員集合。これまた、「アメリカ帝国の闇と日本の改憲問題」と題する浦田賢治先生の講義から始まり、秋からの諸活動の確認と、組織拡大への取り組みについて正午までの議論。中味の濃い、盛りだくさんの知識を詰め込んだ2日間の合宿。終了後、マリンタワーに登る元気もなくなり、ひたすら帰京の列車の中。まったく遊び下手の私たち。
 さあ、秋からの諸課題に取り組む方向性は決まった。それを支える体制を整えながら、協会の活動に邁進して行こう。
 それにしても、海をながめながらの朝風呂は、気持ちよかった!