最近の日記

 昨年より2人体制になった本部事務局から、事務局だよりをお送りすることにいたします。従来の「あっちゃんの事務局通信」を改め「敦子とかおりの事務局だより」としました。「あっちゃん・・・」の時代は、一人孤塁を守る林敦子のぼやきが主体でしたが、これからの「・・事務局だより」は、協会本部の業務報告とともに、交互に感想やら問題点を記して行きたいと思っています。時々は、絵日記ならぬPhoto日記として、写真も添付するつもりです。ご期待下さい。

相次ぐ訃報

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 森川金寿先生の訃報が届きました。享年93才でした。横浜事件再審判決の日の弁護団団長のコメントを述べられている先生のお姿から、私たちは、ひそかに100才のお祝いをイメージしていました。とても残念。これまでも、社会の流れの節目には、森川先生から示唆に富むお話しをお聞きしてきたように思います。49日にあたる12月上旬に頃、「偲ぶ会」が予定されているとのこと、それまでは、森川先生に「さようなら」を言わずにいます。
 昨夜は、やっと、吉川先生に、最後のお別れをしてきたばかりでした。奥様とご子息主催の「お別れとお礼の会」が、先生のゆかりの地、飯田橋のホテルで開かれました。白と紫の花に囲まれた遺影を前に、次々とのべられる心こもる追悼の言葉には、時には目頭が熱くなり、時には感動し、毅然と生きてこられた吉川先生の生涯を、歴史絵巻を見るがごとく、門外漢の私にも深い共感を与えてくださいました。
 心から両先生のご冥福をお祈りいたします。

窮状を救うのは、9条です。

今日は、待ちに待った、「9条がんばれ! 弁護士と市民がつどう「第9」コンサート」の日。あいにくの冷たい雨・・・。ぎりぎりの時間に会場に駆けつけると、もう、たくさんのひと・人でうまっている。切符を切っているのは渕上弁護士、プログラム配布は下林弁護士。様々な集いの受付をこなすことになれている私。少しとまどいながら、「今日はお客様でーす」と、いくぶん背中を反らせて、入場。ご夫妻で合唱に加わる予定の佐藤弁護士は、まだ平服のまま入場者に笑顔で応対。「衣装に着替えなくていいの?」と私。蝶ネクタイの斉藤先生をひやかそうと思っていたのに、余裕たっぷりの態度。コーラスのできあがり、期待していいのですね。
 平和の誓いへのファンファーレで幕開け。実行委員長のご挨拶に続き、モルダウ・鳥の歌、愛のあいさつ・・。心の底に響き渡るチェロの音色に酔いしれる。第2部は、「第九合唱」。緊張した面持ちで舞台に登場する合唱団員の中に、「知った顔」を探し当てて、にんまりしながら、外山雄三さんの指揮棒がふれるのをじっと待っていると、武者震いがとまらなくなる。
 そもそも、このコンサートの企画が報告された時、「へエー、実現できるの?」と正直思っていた。「実現させたい!」そういう気持ちになってきたのは、随分と企画が具体化してきた頃。そして、本番を迎えた。大成功!!。ここを出発点に、憲法9条の大切さをひとりでも多くの人と語りあって行こう。そんな決意を心に刻みつけることができた、つどいだった。会場の出口には、シルクハットを逆さまに、募金を募る内田先生の姿。財布を広げた私に、「帰りの電車賃大丈夫?」。財布の薄さを心配してくれたのかしら?

遅れた夏休み 思わぬ休日出勤

 靖国参拝を強行した小泉首相のおかげで、8月の夏休みを2日も返上させられた相棒の織田さん。航空券も少し安く購入できる9月に入って鹿児島に帰郷中。
 「法民・合併号」の作業日程が狂い、16日から18日の三連休は、ゲラ刷りの素読みと、未到着原稿の督促で、私の休日は、大幅な予定変更となってしまった。休日の都心に自家用車で乗り込んで、「シーン」としている事務所で仕事をしている。とても集中できて、はかどることこのうえなし。電話は鳴らないし、バックミュージックを少し大きめにかけて、難解なゲラを読んでいる。 少しくたびれた頭を冷やしに、新宿御苑の前をぶらぶら歩いて、事務所に戻ると、「堀尾です。校正、遅れます。これから講演にでかけます。明日でもまにあうよね。9.26のコンサートの練習もあるんだよ。では、また連絡入れまーす」。とても若々しい声の堀尾先生の留守番電話。そうだ、もう、今日は、これで止めよう。3連休最後の日、車も混むかもしれない。堀尾先生の「明日でも間に合うよね?」その声をお聞きしたら、なにか、少し気が楽になり、まだ、日の高いうちに、愛車を蹴って、自宅へ戻ることに。ケセラセラ、なるようになるわ・・・。明日は地獄かも・・。

少々もめた編集委員会

 ちょっと意味深なタイトルですが、毎月開催される「法と民主主義」編集委員会。定刻主義のS先生、遅刻常習者のZ先生。電話応対のため、なかなか配置につかない私・・・。言い訳けは無用です。遠方より、時間を守り、交通費も自己負担。少しでも良い「法民」を作りたい一心で集まってくださる編集委員。毎号、時宜にあった特集企画を中心に、テーマを決め、執筆者を選び、依頼し、原稿を集め、入稿・校正と、実務を積み重ねて、一冊の「法民」が完成する。読者への発送、購読料の集金・・・・。諸々の仕事を編集委員と専従事務局でこなしている。責任の分担が提案されても、超多忙な人々の集まり。諸手をあげてなかなか引き受けがたい・・・。「共謀罪」の小特集の担当者が決まらない。時間は刻々と過ぎていく。小特集の骨格は、関東学院大学の宮本先生が作成して下さっている。結局、依頼書の起案と執筆の承諾をとる仕事は本部事務局が担当することになる。仕事が増えることを不満としてるのではない。実務をこなすのは、それが仕事ゆえ、それほど負担と感じていない。しかし、「みんなで作る」!そのことを大切にすることと、先に進めないもどかしさが、いつもつきまとう。重苦しい感じで、大幅に予定時間を過ぎて終了した委員会。どうぞ、「みんなで作る・法民」の実現のために、力と知恵を貸してくださいませんか!

さようなら! 佐伯先生、吉川先生

刑法学会の重鎮の相次ぐ訃報が、合宿で留守にしていた事務局に伝えられていた。
 亡き風早八十二先生とともに、東京刑事法研究会を起こし、若手の刑法学者を育てていた吉川経夫先生。そして、京都において刑法読書会を創設した佐伯千仞先生。奇しくも、8月31日に吉川先生が、9月1日に佐伯先生が、相次いで彼岸に旅立たれた。若手のホープ、神戸学院大学の佐々木光明教授は、お二人の逝去に、「刑事法の歴史の節目を感じます」とメールに記している。心からご冥福をお祈りするとともに、改憲への策動に心痛められていたお二人の先生のご遺志を、残された私たちがきちんと引き継ぎ、改憲を止める闘いを進めることを心からお誓い申しあげます。
 日の丸を配した祝日をマジックペンで塗りつぶした吉川先生の手帳には、もう、協会の会議の予定を記すこともないのですね。10月号の「法と民主主義」の特集「天皇制の今」への原稿依頼も、未完のままになりました・・・・・。
 さようなら、佐伯先生、吉川先生・・・・・。 

学びに学んだ夏季合宿!

水戸の大洗海岸での夏季合宿。午後1時30分から5時30分まで、東京新聞の半田滋記者の「米軍再編が呼び込む憲法9条改悪」と題する講演を軸に、ばっちりと学習。差し入れされた日本酒、地酒3本を前に、夕食から深夜の懇親会と続行する討論。2日目は、朝9時に全員集合。これまた、「アメリカ帝国の闇と日本の改憲問題」と題する浦田賢治先生の講義から始まり、秋からの諸活動の確認と、組織拡大への取り組みについて正午までの議論。中味の濃い、盛りだくさんの知識を詰め込んだ2日間の合宿。終了後、マリンタワーに登る元気もなくなり、ひたすら帰京の列車の中。まったく遊び下手の私たち。
 さあ、秋からの諸課題に取り組む方向性は決まった。それを支える体制を整えながら、協会の活動に邁進して行こう。
 それにしても、海をながめながらの朝風呂は、気持ちよかった!

勝利の笑顔 荒川康生さん

東京地裁は、本日、葛飾ビラ配布事件の荒川康生さんに対し、「住居侵入罪を構成する違法な行為であるとは認められない」として無罪判決を言い渡した。
「表現の自由」への踏み込みがないなどの不満は残るものの、この間続いた、ビラ配布への不当判決ゆえに、画期的な判断と受け止めている。
早速、小沢隆一先生が判決全文を協会事務局に届けて下さる。
5月に開催された協会の理事会に、荒川さんが出席され、「世間の常識的判断からも、なぜ、私が逮捕・拘留されなければならないのか」「民主主義の根幹でもある言論の自由への冒涜」と、もの静かなたたずまいで訴えられた事を思い起している。
バザーのお知らせや、憲法学習会の案内など、地域でビラ配布をくりかえしている私たちは、知らず知らず、自らの行動を萎縮させていた。「お知らせ」する行為が、気持ちの重さに負けそうになつていた日々からの解放をこの判決は意味している。
検察は、控訴せず、この判決を真摯に受け止めてほしい。言論・表現活動に対する弾圧事件を再び引き起こさないよう、念じている。
9月7日に予定している協会の憲法委員会の研究会には、この事件の主任弁護人の中村欧介弁護士が「無罪判決をかちとって」と題して、「憲法運動としての裁判の意義」を小沢隆一教授が報告することになっている。多くの方のご参加を・・・・。

ハンカチ王子と幻の野球部

再試合という劇的な出来事だけでなく、好試合を繰り広げた高校生の爽やかな姿に、昨日は、テレビに釘付けになった。試合中にハンカチで汗をぬぐう斉藤佑樹投手は、「ハンカチ王子」などど命名された、一躍注文の的になっている。
ところで、我が協会に、以前野球部が存在していたことを記憶していている方は、多くないと思うが、存在していたのである。会員に希望ポジションとともに、入部募集をかけたところ、ピッチャーばかり集まってしまったという珍事ながら、休日に、野球場の確保と、試合相手の交渉に忙殺されながら、試合を重ねて行った。そのうち胸に、「法と民主主義」の刺繍をしたピンクのユニフォームも完成する予定だった。野球部設立の言い出しっぺは、小野寺利孝元事務局長。
ご本人は、バットならぬゴルフクラブを振ることが得意にもかかわらず、設立に熱意を発揮した。元野球少年たちが、出はじめたお腹を気にしながら、河川敷の野球場に結集していたあの頃が、とても懐かしい。その後の社会情勢も、司法をめぐ動きも、そんな時間すら、協会に結集する弁護士や税理士から奪うことになってしまった。

「法民」編集委員会&納涼会

台風7号一過(一家?)、編集委員会が開かれる。先月号の総括からはじまり、次号の進行と問題点の確認。次々号から11月号までの企画についての検討。2時間で編集委員会を切り上げ、納涼会。清水雅彦先生が、「法民賞」の副賞還元でワインを、内藤光博先生は、ご招待なのにワイン片手に参加して下さる。お中元にいただいた大きな「もも」の箱を抱えてきたのは、佐藤むつみ先生。協会の冷蔵庫に押し込まれていた、製造年月日不明のお酒も加わり、近場のスーパーで買いそろえた「肴」で、ワイワイはじまった。アルコールが入るにつれ、本質的な議論に熱が入る面々。「どう読者をふやすべきか」「会員資格をもっとひろげるべきではないか」・・・・。逆さにふっても一滴も出なくなった空瓶を前に、延々と・・・。続きは、9月の合宿に持ち越し。10時、閉幕。
さあ、明日は、実務山積。執筆承諾の確認やら、追加依頼。果ては、小泉の靖国参拝を睨んでの抗議声明の準備まで・・・。ブツブツ言うまい。来週は、原則、夏休み。事務所を閉めます。お盆明けに、また。お目にかかりましょう。

原爆症認定訴訟、勝利判決!

被爆61年を目前にした、本日、原爆症認定訴訟の原告勝訴の判決が広島地裁であった。5月の大阪地裁に続く「全面勝訴」。被爆者が病身をおして、その苦しみを訴え、科学的証明がないから原爆症とは認めないという国の理不尽さに、ようやくあたりまえの判断が下された。「法と民主主義」の396号の特集のなかに、原爆症認定集団訴訟についての記事を思いおこしながら、世界の核廃絶に向けた闘いを大きく前進させることと、平和憲法への蹂躙をゆるさない思いをつなげながら、がんばらねばと決意を新たにした。
6日、広島での小泉首相の挨拶に注目したい。せめて、判決を真摯に受け止める姿勢をみせてほしいものだが、きっと、昨年同様「お粗末」なのかも・・・。